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95交通権レポート第10回

『帯広点検旅行報告』

点検旅行の参加メンバー

 今年の点検ツアーは、前回お知らせした様に、帯広へJR北海道の「スーパー十勝」で行くというものです。
 今回は、思いがけずわたしのレポートを読んで名古屋の鈴村さんという方が、参加したいと手を挙げてくれました。普段は電動車椅子で生活されている方で都合で手動車で来道されるという事で、新千歳空港まで出迎える事から、今年の点検ツアーが始まりました。

 10月6日(金)、札幌市内の手稲山に初冠雪というニュースが流れる寒い朝、強い風と小雨の中に家を出ました。
 11時10分新千歳着のJAL853便、名古屋からの直行便です。予定より早く、10:55到着、最後の方になって、鈴村さんが現われた。初対面ながらすぐに見つける事が出来ました。(車椅子だから当然ですが、、、)挨拶もそこそこに、お互いに「もっと若い人だと思っていた」と打ち明ける。
  鈴村さんは3年ぶりの北海道とのことで、寒さには驚かないという。雨も止んでいて、さて行動開始です。

 ところで、ここで鈴村さんからJALが発行するIDカードなる物をみせてもらいました。障害の内容などを登録しておくとカードの番号を言うだけで、航空券の予約が簡単に出来てしまう、便利なカードです。(JALの固定客づくりの匂いもしますが)飛行機を利用する事が多い方にはいいかも。
 新千歳のターミナルビルは開業前に点検しているので、エレベーターの位置は大体知っていたのですが、目立たない所にあって、不便です。JRの障害者割引切符を買うために窓口まで行く。女性職員の案内でJRの事務所を通ってエレベーターへ、ホームでは乗車のときにも手を貸してくれ、行き先の「新札幌」へも連絡をしてくれるとのこと、なかなか親切でした。札幌近郊の列車(特に千歳線)は乗降口が広く、車室の入り口近くに一人掛けの座席があって、その隣に車椅子が丁度納まるので大変楽です。果たして「スーパー十勝」はどうでしょうか。
 新札幌駅では、駅員が2人待機していてくれました。エスカレーターしかないので、3人で車椅子ごと持ち上げて階段を降りました。(鈴村さんの体重が軽いので助かります)地下鉄に乗るためにちょっと迷いました。地下鉄への通路が分からないのです。初めてのせいですが、、。大分ウロウロしてしまいました。
 でも、地下鉄のホームへはスムーズに行けました。大通で1度降りて、食事でもしようと思い、ホームから出ようとしてまた迷ってしまう。エレベーターが西と東の2ヶ所あり、近くのエレベーターに乗ったところ、改札口から出て、地下街や地上に出られないのです。勿論車椅子でなければ出られるのですけど。切符を自動改札機にとられてしまったし、困ってしまいまして駅員に聞きました。何ともう一度ホームに戻って西側の端っこまで行ってもう一つのエレベーターに乗らなければなりませんでした。不便な作りになっていました。
 昼食をとり、鈴村さんの今晩の宿泊先、障害者の自立を目指して積極的に自立生活を支援するグループ「札幌いちご会」が運営する「自立生活体験ルーム」に向かいました。「札幌いちご会」の事務所を訪ね、「体験ルーム」の鍵を受取る。一晩眠るだけの事ですが、料金の安さは驚きです。(1、500円?位)

 せっかく遠い名古屋から来られた鈴村さんをどうやってもてなそうかと考えた末、思い付いたのがパソ通で知り合った人に、同じ障害者ながら草の根BBSのSYS−OPで「交通権を考える連絡協議会」の監査委員でもある、川島さんのお宅に案内する事でした。私も初めてお会いする人ですが、同じパソ通仲間です。チョット図々しいかとは思いましたが、、、。お邪魔しました。やはり同じ趣味の同士です、すぐに打ち解け、パソ通談義に時間を忘れ、夕食の約束に遅刻してしまいました。
 翌朝、前日の雨が嘘のように良く晴れた朝です。
 7時に「体験ルーム」へ。ちょっと早かったが、鈴村さんはもう身支度を済ませて待っていました。体験ルームのあるマンションから徒歩で地下鉄「白石駅」へ、白石から大通までスムーズに行けます。昨日体験済みなので大通駅からすんなりと地上の人となりました。時間もあるし、大変良い天気なのでブラブラと歩いてJR札幌駅まで行く事にしました。途中ちょっと寄り道して道庁へ、前庭にはもう観光客らしい人達が訪れています。紅葉にはまだ少し間がありましたが秋の日差しが気持ちのいい朝でした。
 札幌駅へ着き、コーヒーを飲んだりして時間を過ごし、集合場所へ。参加する人達が次々と到着。乗車の手伝いがてら見送りに来てくれた人も含め、定刻には全員揃いました。今回の参加者は総勢12名。(電動車椅子1人、車椅子4人、杖1人、歩行が少し不自由な人1人、介助が5人)マスコミの取材がNHKの記者と、社会新報の記者が1人。(テレビカメラはなし)
 社会新報の記者は南千歳まで同乗して取材してくれました。(いつ、どのような記事になるのか?)

 さて、札幌駅での乗車ですが、駅員さんの対応もスムーズで、ホームでは3人の駅員さん達が手伝ってくれました。当初の予定を変更して指定席を買う事にし、車椅子で乗ることを事前にJRに知らせてあったせいもあるでしょうが。
 いよいよ「スーパー十勝」に乗車です。乗ってみてびっくり。昨年のスーパー北斗と違って車椅子が通路を通れるのです。電動車椅子でさえギリギリですが通れました。これで座席への乗り降りが大変楽に出来ました。
 ところで、スーパー十勝一編成の列車には何種類かの車両があって、通路幅もそれぞれ違うようです。実際に測ってみた所、私達の乗った車両は一番広くて、他はこれより狭いようでした。ビデオカメラとメジャーで点検し、おしゃべりに時を過ごしているうち帯広に到着です。途中「樹海ロード」と名付けられた国道274号線沿いを走りますが、やはり紅葉には少し早いようでした。(一週間も経たずに札幌近郊は色付きました)

 帯広駅には「帯広車椅子の会」の人達が出迎えてくれました。車椅子の会の事務所を訪ねる人達と、ホテルに直行するグループの2つに別れ、予約してあったリフト付きタクシーに乗り、ホテルへ。出迎えてくれたボランティアの女子学生さん、2人に付き添われて、ホテルでチェックイン。新しいホテルの更に新館が今夜の宿です。
 車椅子を備えて、車椅子用のトイレもあるとのことで、早速トイレを点検です。ところがどこにもないのです。確か2階にあると聞いたのに分からなくて職員に尋ねました。なんと何の表示もなく、おまけに美容室の入り口の表示のあるところから入るようになっていました。これでは分かりません。きちんとした表示がほしいですね。それと、備え付けの車椅子のタイヤの空気が少なくなったままで使用に差し障りがあるほどでした。空気入れもないのが残念でした。せっかくの設備が、、、。
 夕食までの時間を市内観光にと出掛けましたが、タクシーの運転手さんに聞いても特に見所というところも無いようで、鮭の遡上の季節ということで、十勝川の千代田堰堤に案内してもらいました。あいにく遡上は見られませんでしたが、、。
 旅行の楽しみは、やはり地元の美味しい物をたべる事です。夕食はタクシーの運転手さんと「帯広車椅子の会」の人もお薦めの「焼肉バイキング」のお店にしました。焼肉だけではなく、寿司から中華料理、果物にデザートまで何でもありのバイキングです。予約なしでいったのと、土曜日の夜ということで、30分以上も待たされてしまいました。でも良かった。入り口にはスロープ、トイレは広い車椅子用があり。心おきなく飲み食べられました。後で聞くところによれば、車椅子の会のメンバーのアドバイスでトイレとスロープが作られたということでした。
 ホテルが中心街からちょっと離れた場所にあることもあって2次会はなしです。早めにホテルに戻り、ゆったりとした部屋でぐっすりと眠りました。

 2日目の朝です。今日も良い天気です。朝食を済ませ、ロビーに集合。チェックアウトの後、鈴村さんが帯広空港からの名古屋直行便で帰るので皆と別行動となりました。タクシーでちょっと一回りして「幸福駅」を見たいという鈴村さん。十勝平野は広ーーーーーい。畑の中の直線道路をタクシーは走りつづける。帯広畜産大学の広いキャンパスを見て、隣町の今は廃線になって、その名前だけが全国に知られた「幸福駅」の小さな駅舎を訪ねました。その幸福駅から帯広空港はほんのひと走りです。
 無事に鈴村さんと共に空港に到着。こじんまりした空港ビル。出発は2階からです。勿論エレベーターはあります。但し、分かりづらい場所にあり、空港職員が案内してくれた理由が分かりました。1階の乗る所はいいのですが、2階で降りたところが、まるでプライベートスペースの様な場所で、出発ロビーまで迷いそうな位置にあるのです。今回のツアーでも、車椅子や杖での一人歩きが難しい作りにになっているなぁと、つくづく感じたことでした。

 さて、帰りも同じスーパー十勝。帯広駅は、今高架化の工事中で、新しい駅舎が姿を現してきています。
駅員さんに聞きました。「勿論エレベーターもエスカレーターも付きます」でも使い勝手はどうなるのでしょうか。まだ新しい札幌駅でもエレベーターが誰でも自由に使えるようにはなっていないのです。それはエレベーターの乗り口が改札の外にあるのにエレベーターはホームに直結しているからで、駅員の立ち会いあるいは同行が必要になるわけです。当然エレベーターには鍵が掛けられています。帯広駅は是非誰でも自由に使えるような物にしてほしいですね。

 今回利用したスーパー十勝は昨年のスーパー北斗と違って、揺れも少なく快適な乗り心地でした。車椅子が通路に入れることも嬉しいことでした。JRの皆さんの対応もまあまあでした。一人で車椅子の旅をする人にもこのような対応がされることを心から望んで、この点検ツアーの報告を終わります。


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