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第19回 参議院各候補・各政党への公開質問状

公開質問状送付先

千 代  信 人 様 新風公認
よこやま 充 洋 様 無所属
西 川  まさひと様 自由党
さいとう 宣 行 様 新社会党
熊 谷  あきふみ様 自由連合
宮 内  さとし 様 日本共産党
だ て  忠 一 様 自民党
松 村  たみ子 様 女性党
杉 山  よし子 様 社民党
小 川  勝 也 様 民主党


交通権を考える連絡協議会
会長 後 藤 昌 男
事務局 恵庭市黄金町89−9(宮下方)
電 話 0123−33−1840
FAX 0123−33−1850

謹啓 選挙のさなか、各候補・政党の公約があきらかになり、道民はその争点に大きな関心をよせているところであります。
 さて、心身に障害をもつ者をはじめとして長期療養者、高齢者、子供、妊産婦など、移動に際して何らかの制約をうける、いわゆる交通弱者の「交通権」について、いまひとつ具体的にしておきたいことがあり、この質問書を作成しました。わたしたちの切実な課題ですので、ご多忙中たいへんとは存じますが次の項目について是非ご回答下さいますようお願い致します。
 尚、回答は7月19日(木)までにお願い致します。期日までに回答がない場合は、無回答として扱わせていただきます。

質問 1
 私たちは「交通権」は誰でも平等に保障されなければならない、基本的権利であり、交通が全ての人に、便利・安全・快適・安価に保障されなければならないと考えておりますが、どうお考えですか。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 私もその通りだと考えております。
 誰もがトシをとるし、いつ病気やケガで不自由な生活を強いられるかわかりません。
「交通権」は重要な権利です。

民主党  竹村 泰子 様
 民主党は目的・理念を自立とあらゆる分野への参加を促進、移動の自由を確保、他の者と同等に、ノーマライゼーションの理念と権利を主張します。

小川 勝也 様
 「交通権」は憲法に保障された基本的人権のひとつであり、障害者はもとより、お年寄りなどだれでもが自由に移動できるよう「ユニバーサル」の思想に基づき社会資本の整備を早急に進めるべきだと考えます。私たちはこうした観点から、昨年1月には各障害者団体や建築専門家、他党にも呼びかけて2001年のDPI会議にむけた新千歳空港や、JR札幌駅の実地調査を行い関係方面に問題点の改善を申し入れました。その結果、新千歳空港については一部バリアフリー化が実現しました。また、高速道路料金の割引適用拡大などにも粘り強く進めているところです。さらにハートビル法、建築基準法の改正などによりユニバーサルの推進に力を入れていきたいと思います。

質問 2
 交通バリアフリー法が成立し、私たち障害者はおおいに期待するところですが、義務規定ではなく努力義務である問題などあって、基準の策定や改造計画がなかなか進まないのではないかという不安があります。
 この不安を取り除くためどのような方策をとられますか。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 日本共産党は義務規定とすべきと提案しましたが、残念ながら受け入れられませんでした。
 みなさんと力を合わせ、5年後の見直しの際には義務規定とするよう努力します。

民主党  竹村 泰子 様
 市民からのパブリックコメントを聴き、たえず見直しを求めます。

小川 勝也 様
 法律はできましたが、それを実施する行政や事業主の意識が十分とはいえないように感じます。厳しい財政、経済情勢下で難しい点も少なくないとは思いますが、ちょっとした意識の持ち方で変えられる部分もあると思います。さらにより具体的にバリアフリーかを進めるためには税の減免措置拡大など誘導政策が必要かと思います。国会や議会の不断のチェックと、皆様が粘り強く声をあげ続けていくことも大切でしょう。私たちも皆様方と常に連携をとりながら、交通権のバリアフリーを一つひとつ取り除いてまいります。

質問 3
 地方自治体の基本構想作成は、なかなか進まないのではないかという心配があります。財政負担などの要因が考えられますが、推進するための具体的対策があればお聞かせ下さい。また、重点整備地区以外の設備についてのお考えもお聞かせ下さい。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 確かに自治体の財政負担は大きなものがあります。
 しかし、国やJRなどにも負担の義務があるのですから、障害者などの関係者が具体的に当該市町村のバリアフリー化の実態をはあくして、自治体と一緒に基本構想作成を急がせる必要があります。同時に地域の運動として、事業者や自治体、国に粘り強く要求をつきつけていくことが重要です。

民主党 竹村 泰子 様
 民主党案では国が事業者に対し4分の3の補助を明記しています。
 重点整備地区以外でも自治体の判断で上乗せとしての改善指針を策定できるようにします。

小川 勝也 様
 地方分権の流れの中で、一方で国も地方も財政再建を迫られています。「交付税の削減」など、痛みだけを地方に押し付ける小泉・自民党政権の元では基本構想を進める事は自治体にとっても困難なことかもしれません。真のバリアフリー、ユニバーサルを実現するためには、民主党を中心とする政権の実現しかないと考えます。

質問 4
 移動の自由と同時に、安全性の確保はきわめて重要です。「新大久保駅の事故」を二度と起こさないために、どのような政策をおもちですか。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 いうまでもなく安全性の確保は極めて重要です。
 視覚障害者の強い要望であった、ホームドアと可動式ホーム柵の設置については、わが党の奮闘で「交通事業者の講ずべき責務」に入ったことは大きな成果。これを大いにすすめることが重要です。

民主党  竹村 泰子 様
 移動の自由はもちろんですが、安全については最も重要と考えホーム等の柵などの設置義務を確保します。

小川 勝也 様
 JR、地下鉄などでのホーム転落事故は、障害を持つ多くの人たちが体験したりその危険を肌で感じています。ホームと電車の間に可動式ドアがあり、電車が停車するとドアが開く「ホームドア」や、可動ポールの導入促進を進めたいと考えています。

質問 5
 上記、問い2,3,4以外に、交通バリアフリー法の推進に当たり、5年後の見直しも含め、どこに課題があるとお考えですか。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 バリアフリー法の限界は、アメリカやフランスなどのように「移動の自由と安全確保は基本的な権利」という理念がすわっていないことです。5年後の見直しに向かって、法律にきちんと規定させる必要があります。

民主党  竹村 泰子 様
 移動の自由はもちろんですが、安全については最も重要とかんがえホーム等の柵などの設置義務を確保します。

小川 勝也 様
 一にも二にも、財政的裏づけが必要なので、経済対策に課題があると考えます。

質問 6
 全道各市町村が「福祉のまちづくり条例」をもち、その根幹に交通アクセスの理想的なシステムの整備計画がなされなければならないと考えています。条例の制定、条例の遵守についてどのようにお考えですか。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 条例の制定に賛成です。条例の制定めざして、これまで以上に奮闘する決意です。

民主党  竹村 泰子 様
 条例等の策定がなされても、全市民が理解していなければなりません。周知徹底をするための広報、また幼児からの無理解をおこさせない学習も必要と考えます。

小川 勝也 様
 積極的に進めるべきであり、その前提条件として、地方分権を推進すべき。

質問 7
 「市町村障害者プラン」策定推進の点検と、基盤整備とりわけ交通状況の点検は重要です。そのための財政的支援がかかせない課題と考えます。具体的にどのような政策をおもちかお聞かせ下さい。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 市町村が財政支援を行うことは当然ですが、道や国も応分の負担(支援)をすることが必要です。

民主党  竹村 泰子 様
 民主党としては狙っている財源もありますが、もうひとつはNPO減税の効果的な利用法です。自治体、事業者がバリアフリーを行うとそのお金については免税措置をとる法律を作り、できるだけ自分たちがめざしたところにお金が使われるようにしたいと考えます。

小川 勝也 様
 地方の財政支援という点では、「一括交付金」への改革を実現し、地方が地域の実情に合わせ、プランの策定と実現ができるようにする。

質問 8
 欧米で実施されているスペシャルトランスポートサービスのようにドアからドアへの交通機関が確立され、外出が高額なタクシーに依存しなくてすむようになることが切実な願です。積雪寒冷地の北海道では特に大切だと思いますが、この交通サービスの導入についてのお考えと、その具体化のために財源も含めどのような取り組みをされるかお聞かせ下さい。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 バリアフリー化をやっても重度障害者や寝たきりの人など、移動困難な人がどうしてもでてきます。これは5年後の見直しに向けてやっていく必要があると考えます。具体的な財源なども含め、今後の検討課題です。

民主党  竹村 泰子 様
 スペシャルトランスポートサービスについての確立は必要です。そのための財源は道路特定財源のような紐付きの開放を考えています。

小川 勝也 様
 積雪寒冷地である北海道こそ、「ドア トゥ ドア」のサービスが必要。財源については、(2)(7)をご参照下さい。

質問 9
 すべての札幌地下鉄駅にエレベーターを設置することや、ノンステップバスを導入すること、北海道JR駅すべてが車いすで乗降できることを願っていますが、その実現のためどのようなてだてが必要だとお考えか、お聞かせ下さい。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 すべてのJR駅やすべての札幌地下鉄駅にエレベーターなどを設置するためには、ばく大な予算が必要です。まず段階的に重点的に長期計画をたてて整備をすすめること。そのためには「5メートル5,000人」の基準を改正することがまず必要です。また、内部留保を1,300億円もためこんでいるJR北海道(事業者)に応分な負担をさせることも不可欠です。

民主党  竹村 泰子 様
 法律の見直しをふくめ事業者の意識、市民の後押しも必要な要素と思います。

小川 勝也 様
 現在の「バリアフリー法」に基づく財政支援だけでは、とくに経営の苦しいJR北海道単体ではすぐには難しい面もあるのかも知れません。私たち民主党はハートビル法の改正によるバリアフリーの義務化を進めていますが、道などとの連携のほか、例えばエレベーターに協賛広告を取り入れるなど、民間支援を活用する知恵も必要かも知れません。

質問 10
 不況の中で生活苦を強いられている障害者を支える観点から、移動制約者に対しての支援体制をもっと充実し、社会参加を進めるための環境整備はもちろんのこと、福祉タクシー制度に拡充、航空運賃やJRの交通関係割引制度(百キロ制限の撤廃・特急・寝台料金など)、障害者運転者へのガソリン代助成、福祉除排雪など、福祉予算の増額が必要と考えていますが、このことについて、いかがお考えですか。

回 答

日本共産党  宮内 さとし 様
 賛成です。もっと運動を強めて早期に実現するために頑張りましょう。

民主党  竹村 泰子 様
 国、各自治体自体の福祉に対する考え方、福祉にお金をかけることが不必要という観点を払拭しなければならない。

小川 勝也 様
 現在話題になっている特定道路財源の使途見直しなど、民主党の主張が実現すれば福祉予算の充実も可能です。また、福祉団体のワゴン車に対する高速道路料金の割引適用などは、特殊法人の制度改革をすすめる中で、十分実現可能と思います。福祉予算の増額により、福祉関係の雇用を創出することも積極的に進めたいと思います。

質問 11
 質問以外で具体的なプランがありましたらお知らせ下さい。

回 答

民主党  竹村 泰子 様
 民主党は1999年に「高齢者・障害者の移動の自由を確保するための法律」を発表し、昨年は札幌市においてもシンポジウムを開催して事業者、障害者、高齢者のみなさんからご意見をいただきました。全国でこのような会を各地で開催し、多くの意見をまとめ、いわゆる交通弱者の側に立った法律となるよう活動してきたことをご理解いただきたいと思います。

社会民主党  杉山 佳子 様
 私は北海道社会福祉審議会委員として多年、社会的に互いに助けあわなばならぬという信念から、行政面からの努力を傾けて来ました。あなたたち協議会の今回の設問にたいしては福祉政策全般の中から協議してゆかなければならないものだと思いますので、今回の回答は送りません。
 但し私はこれまでも研究でも、特に高齢者はどんどん外出して社会的なものごとに関心を失わず、そうした接点を持ち続けることを提唱してきたものであることを付記します。


☆回答については、到着順とさせていただきました。



参議院選告示と同時に立候補者の連絡先を選管に確認し、事前に用意した公開質問状を送付しました。 投票日前にそれぞれの候補者や政党の考えを知るためには19日に必着との条件を付けて回答をお願いしましたが、ご覧の通り、正式な回答をくれたのは2人、竹村さんは政党としての立場での回答と受け取っています。
どうか、これらのことを回答内容と共に投票のご参考にされることを、、。


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