(1999年8月10日発行)
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99年度交通権を考える連絡協議会総会報告
6月6日(日)交通権を考える連絡協議会の99年度定期総会が難病連会議室で開催され、約30名が参加した。
深野事務局員の開会あいさつと後藤会長あいさつに続き、議長に三島春光氏を選出して、議事に入った。
最初に宮下事務局長が九八年度事業報告を行った。
加盟団体との協力活動では、札幌市の歩道リフレッシュ事業をきっかけとした、第1回歩道点検を実施し、視覚障害者、電動・手動車いす、ボランティア、札幌市職員の計28名が参加して、工事中の障害者安全対策の徹底や歩道の凸凹路面・急な傾斜など47ヶ所の問題点を指摘し、点検後、さっそく危険個所に点字ブロックが設置された。
また交通権と恵庭障害者カレジャス・アクション・グループとの合同歩道点検の実施。
例年行われている「交通権110番」が3月27・28日に行われ、29件、85項目の相談があったこと。
身近な点検活動では「芸術の森」点検を行い、石畳歩道の改善、障害者用駐車場が設置されたこと。
エスパ福住店点検では、障害者用駐車場に荷物・ポールを置いてあり車いす使用者が利用できない問題点は点検時に商店関係者との話し合いで改善するなどの成果が報告された。
また、石川会計から98年度決算報告・99年度予算の提案、宮下事務局長の99年度事業計画の提案があり、事業報告も含め全会一致で採択された。
今年度の事業計画
1.交通権110番の実施
(相談内容を点検・調査し要望書にまとめ関係機関に改善を求める)
2.加盟団体と協力して、歩道の点検及び交流
3.身近なところの点検活動を重視してとりくむ
4.DPI世界会議の成功に向けての諸活動
5.その他、会員拡大、会報発行、募金活動、各種助成制度の活用、学習会、加盟団体相互交流など
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第1回札幌駅南口工事に伴う
歩行経路等の変更について点検
駅南口広場が今年12月いっぱいかかる大工事中で、工事に伴う応急通路のことが心配だ。障害をもつ人にとって適切な誘導で、親切ていねいでなければならない。
視覚障害の会員の方が、実際に困惑された体験談もあって、この方も含めた点検活動を計画した。
実施日1999・5・29(土)
参加者 車いす使用者5名を含め計9名
点検結果を下記要望書にまとめ、札幌市都市局地域計画部に提出した。
(要請の内容)
@視覚に障害のある人は、地下街通路を利用することを基本として、地下に誘導するようにしていますが、南口広場の西側出入口のところが、通行人の利用頻度が一番多いところです。であれば、障害をもつ人も、一番便利で利用度が多いと考えて対処すべきではないだろうか。
A南口広場に残っている誘導ブロックは、撤去するか、マットをかぶせるかしておかないと、危険です。残っているブロックを部分的に使用してしまった場合、工事囲いに衝突します。(必ずしも継続的にだけ利用するとはかぎりません)
B南口でタクシーを降りた場合、地下への出入口、及び西側出入口への誘導がありません。
C北五条手稲通りの西5丁目通り、駅前通り、西3丁目通りそれぞれの交差点、
横断歩道の誘導ブロックは、設置されていなかったり、されていても不完全で、これを整備したうえで、地下道入口までの、あるいは東西出入口までの継続的誘導経路を設置する必要があります。
D南出入口からバスターミナルまでの誘導がないので、地上からは行けません。もちろんバスを降りてから駅への誘導もありません。
E南口広場の東側出入口も西側出入口と同じように誘導ブロックを設置してほしい。東側出入口から、バス、タクシーへの誘導も必要です。
F駅内の(東側出入口に向かうところ)誘導ブロック上に、施錠されたガラス扉があった。きわめて危険なことだと思う。途中で切れているので使用しない通路でも、途中からの利用はあることなので、配慮が必要です。
G「地下鉄方面南出入口連絡通路」は誘導ブロックが途切れたり方向が変ったりしていて、継続的直線になっていない。ブロックの横に置かれた鉢花は、きれいだが危険。
H西側出入口に誘導している階段は、手すりが誘導ブロックの反対側壁に設置されている。これでは役に立たない。両側につけて左右どちらの手でも使用できるようにする。
I私たち会員から指摘のあった場所(地下鉄南北線、JRの出口2番)近辺は改善されていました。
Jその他、今回歩道点検以外に出された要望
1.視覚障害者のため階段の色付けを徹底してほしい
2.駅非常口にもスロープをつけてほしい
3.駅地上の部分の工事については、タクシー乗降場所の状況はどのように工事されるのか(車歩道間段差はどうなるのか)
4.地下工事部分の青写真を見せてもらいたい
(以上)
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私たちの要請に対し、早速6月18日、現地再点検と合わせて関係部局との話し合いが行われた。
担当部からの参加は、都市局地域計画部駅南口担当主査、障害福祉課福祉町づくり主査、同相談主査、建設工事係長、JR開発事業本部からの計6名。
(話し合われた内容の要旨)
@について、本来、工事中は完全通行止めにしなければならないのだが、西口通路は朝一時的に1万人もの人が移動する場所なので、特別配慮の通路で、障害をもつ人のためには、地下への誘導を基本に考えている。とのこと。
Aについて、急いで対応を考えるが、ブロックを全部除くことについては再利用計画もからみ、困難な箇所があるとのこと。(後日、改善したとの連絡があった)
BEについて、工事中南口ではタクシーの乗降をしないように業者に依頼して徹底を図っているところとのこと。
Cについて、検討し対策をたてるので見守ってほしいとのこと(時間がかかる工事なので)
DEについて、バスターミナルは地下から乗降りするかたちになっているので、
地上への誘導はしないとのこと。しかし降車については現に地上で行われているので、そこから駅への誘導は必要であることを指摘した。
Fについて、扉がこわれていたためで、すぐ修理開錠したとのこと。
Gについて、鉢花はすぐ置きかえられた。このパセオへの通路は構造的にも非常にわかりづらいので利用しないかたちで考えているとのこと。(構造的な改善計画の要)
Hについて、仮設の薄い板で仕切られているので、手すりを保持できない。別な方法が現在見つからない。階段のすべり止めについては地下街工事全体の中で考えてゆくとのこと。(なんとか工夫し、改善の必要性を指摘)
Iについて、地下鉄出口2番のところにエレベーターを設置するとのこと(現在交通局で計画中)(具体的場所がはっきりしたら連絡するとのこと)
Jについて、ブロックの色は黄色を基本にする。南口広場のタクシー乗降場は段差をなくしている。駅東側に2ヶ所エレベーターが設置される。全ての非常口に規定通り勾配のあるスロープを確保するのは困難なので、スロープのある所への案内表示を徹底するとのこと。
交通権を考える連絡協議会の参加を通して
北星学園大学 福祉学部
四年 今 由佳理
私は現在、障害者が社会参加に必要な前提条件である交通システムの現状と課題を調査し、日常生活において安全でかつ円滑な移動を保障するには、どのようなバリアを克服するべきか等を卒業論文のテーマとして考えている。
今回、本協議会に参加して障害当事者の意見や立場等を知る貴重な機会をいただき、現状の交通機関や施設等のバリアフリー・デザインには、障害の身体的特徴のニーズ把握が欠如していること、段差の障壁など移動の連続性が確保されていないこと、そして各交通機関での職員対応の教育指導を徹底させるなどの早急な改善策の必要性を強く認識した。
そこでは、当事者自身が主体となり、さまざまな交通機関や施設等に自ら積極的に働きかけることが重要であり、本協議会の活動は、すべての人間に移動しやすい生活空間を提供すると共に一般市民の意識的な障壁の解消の役割を担っていると言えるだろう。
最後に、本協議会に参加して得た知識と出会いを一生の宝物とし、、今後の福祉に役立てがんばっていきます。このような機会を与えてくださった方々へお礼を申し上げます。
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札幌市長に「要望書」を提出する(99.6.23)
事務局では、「交通権110番」に寄せられた多くのご意見、ご要望を「要望書」にまとめる作業を進めてきましたが、必要あった現地点検や視察も終え、このたび桂市長宛提出しました。
例年通り「総務局広報部市民の声を聞く課」(対応、課長・主査)を窓口に主旨説明のうえ、各担当部局へ上げてもらい、文書での回答を求めましたが、特徴的なことは、昨年からの継続事項については、その後の進捗状況についても回答を求めたこと。回答を受けた時点で、直接担当部局との話し合いの場をつくってもらいたい旨、申し出たことです。
「要望書」の内容は、地下鉄関係10項目、タクシー関係4項目、JR関係5項目、路面電車関係1項目、建物関係4項目、市営住宅関係6項目、その他14項目にのぼりました。
要望実現のためねばり強く、みんなでがんばりましょう。 (事務局)
『芸術の森』再点検
会報第21号でお伝えした、「交通権110番」の要請行動で取り上げた『芸術の森』の駐車場や歩道の問題点が改善されたとの情報があり再度点検に行きました。
1.路面の一部改修
これは、まず第二、第三駐車場からアートホールおよび野外ステージなどへは敷石状の歩道の一部、ちょうど車いすの幅位の部分を改修し、アスファルト舗装にしてありました。所々(橋の上など)改修ができない事情があるのか、未改修の部分もありますがほぼ出来ていました。
2.駐車場
これは、第二、第三駐車場に夫々2台分の「障害者用スペース」が設けられ、地面と看板とで車いすマークもはっきりと認識できるような表示がなされていました。
3.点字ブロック
これは、全く手がつけられていないようでした。
4.障害者用トイレ
故障などはなかったが、すべてを確認することは出来ませんでした。
5.その他
このほか、ここの案内用パンフレットに電動三輪車のことを書いて欲しいという希望があったように記憶していましたが、パンフレットは最近新しくなったようですが電動三輪車の記述はありません。これは再度申し入れたほうがいいと思いました。
以上簡単ですが、報告いたします。(T)
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社会福祉・医療事業団助成事業
2002DPI世界会議札幌大会応援
イベントドリームプロジェクト
バリアフリーアドベンチャーに挑む!
誰もが共にスリルを味わい、共に自然を楽しむ。
バリアフリーアドベンチャーへの試みについて学びます
フィンランドの野外レク実施団体KOTAは、EUプロジェクトの一環として重度の障害者を始めとして誰でもが自然と親しみ楽しめるバリアフリーアドベンチャーに先駆的な取り組みをしています。
今回、KOTAから来日する代表ペッカさんの指導のもと、その意義、具体的内容について学びます。
また、キャンプを行ない、実際にアドベンチャースポーツに挑戦します。
チャレンジするのは・・・野外キャンプ
車いすロッククライミング
ロープトレーニング
釣り・・・など
キャンプにはKOTAで訓練を受けた日本人トレーナーと介助ボランティアが同行します。安全面では可能な限り配慮いたしますが、挑戦するかやめるかは、現地において各自の自己責任で判断をお願いします。
講師 ベッカ クル氏(KOTA代表)
レーナ コイッカライネン氏(フィンランド筋ジストロフィー協会会員)
通訳 山田 真知子氏(フィンランド在住)
【講演会】札幌
と き 平成11年9月22日(水)PM6:00〜8:00
場 所 ホテルユニオン 7F「大雪の間」
(中央区南3西12 TEL 011-561-6161)
参加費 1,000円(資料代)
【実技講習会・キャンプ】熊石町
と き 平成11年9月25日(土)〜26日(日)
場 所 熊石町
参加費 10,000円 ※札幌から送迎車が出ます。
対象者 野外レクに興味のある方なら誰でもOKです。
障害の有無・程度は問いません。
※人工呼吸器使用の方は事前にお申しでください。
主催:小規模作業所ホップ
共催:北欧社会研究協会・あすなろ学園(江差町)
後援:北海道、札幌市、北海道社会福祉協議会、
札幌市社会福祉協議会、北海道フィンランド協会
参加申し込み・問い合わせは
小規模作業所ホップ
TEL/FAX 011−842−9320
札幌市豊平区美園8条1丁目3‐23
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加盟団体のうごき
北海道頚髄損傷者連絡会
交流会を開き、互いに情報交換をしています。
交通(移動)のことで困っていることなどを話し合っていますが、本当に困
っている方は交流会に出席されない。
北海道連絡会であるが交流会は札幌で行うことが多く、地方の方の参加者は 少ない。
6月に「北海道の四肢麻痺者たち、その生活」第二集を出版。
ひまわり号を走らせる実行委員会
(活動計画)
5月 9日 総会・花見
(実施済)
8月22日ひまわり号京極(ふきだし公園、有島記念館)
9月 参加者交流会
10月 全道交流会
翌年2月 雪祭り交流会
(会員制)
ひまわり号の目的に賛同し、活動を支え協力出来る方に「支える会」に入会 していただきます。年会費、個人団体とも一口以上(一口5百円)その方にニ ュース、行事案内をお届けします。
TEL・562-2575
オホーツク車いすの会
1ヵ月に一度例会を行っている。
その他、年に一度日帰りの旅行会、クリスマス会をし、また車いすダンスの 会や不登校の子ども達とアーチェリーをしたりしています。
事務局だより
5月26日 交通権事務局会議 かでる2・7(ボランティアルーム)
18:30〜
総会資料印刷及び当日の役割などについて
6月 6日 定期総会・学習会 難病連 13:00〜
6月16日 交通権事務局会議 かでる2・7(ボランティアルーム)
18:30〜
「交通権110番」をもとに、要望書作成の準備
道、札幌市、NTT、マスコミ各社へのお礼と報告について
6月23日 札幌市長宛「要望書」を提出
7月 6日 交通権事務局会議 かでる2・7(ボランティアルーム)
18:30〜
DPI札幌大会に向けての交通権の役割など、
会報の内容について
7月28日 ノンステップバス試乗実行委主催「担当部課との懇談会」
に参加
編集後記
暑い日が続き、夜も寝苦しく寝不足で少々夏バテ状態です。しかし雪のある 季節に比べれば少しぐらい暑くても外に自由に出れる方がずっといいとフーフ ー言いながら遊び歩いています。
今年はハワイでも旅行しようと思い、車いすで昨年から酸素使用している私 は、海外に行くとき酸素はどうしたらよいのだろうと調べたところ、直接ハワ イの酸素会社に英語で申し込むとのこと、これを聞いてハワイ行きは中止しま したが、身体が動かない不自由もあるけれど、医療機器を使用するため(酸素、
透析、呼吸器など)に自由に行動できない不自由もあることを身をもって知り ました。
車いす歴は長く、こちらの社会的情報は結構知っていましたが、内部疾患に よる障害についてはわからないことが多く、これから調べていきたいと思いま した。 (K)
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