(1999年1月28日発行)

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新しい年をみんなで力強く歩む
交通権を考える連絡協議会
会長 後藤 昌男

 交通権の運動を支えて下さっている関係各位に、まずは心から「ありがとうございます」とお礼を申し上げます。
 今年も昨年同様、みんなで力を合わせがんばりましょう。
 昨年も、いろいろなことに取り組みました。ご苦労様でした。
 交通権110番に寄せられた、多くの改善要求をもとに、札幌市長に要請書を提出し回答を求めたこと、カレジャスアクショングループと合同して、恵庭市の歩道を点検したことに続いて、札幌市でも第一回障害者歩道点検を行い、大きな反響を呼んだこと、その他、点検した場所は芸術の森、円山球場、コンサートホール・Kitara、地下街、札幌駅・北口・南口周辺、エスパ福住店、等々。
 それに、参議院選挙での各党への公開質問と投票所の点検、「健康とトイレ」の岩澤氏講演会もすばらしいものでした。
 さて、今年はきわめて重要な年です。
 障害者、家族の切実なねがいである「障害者プラン」を拡充、推進することをはじめ、2002年9月、札幌市で開催される「DPI世界会議」を準備すること、札幌市「福祉まちづくり条例」を推進すること。やっと動きはじめたノンステップバスの本格的運行をめざすこと等々。
 さらに1月6日札幌市が「道新」に発表した、交差点を対象に調査した結果、「9割が障害者にふべん」との歩道リフレッシュ事業については、大きな関心事であり、命にかかわる危険な箇所を速やかに改善させるとりくみが必要です。しかも今年は国際高齢者年、私達の活動が高齢者の方々と一緒にできることを切にねがいます。
 また、そうした活動を提案してゆきたいとも思います。
 21世紀を目前に、この世紀を障害者や高齢者の人権が真に守られる時代にするため、みんなで力強く歩みましょう。



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札幌地下街点検
1998年10月18日AM10:00〜午前中
強風雨の中、参加者8名(車椅子4名含む)

第二有楽ビルからオーロラタウウン・ポールタウンを歩く
○第二有楽ビル地下へエレベーターでおりる。ビルへはスロープが設けられていてよい。しかし、トイレは車いすの人は利用できない。男女とも和式2基、入口幅・男50p女65p。オーロラスクエアの身障者用WCを使用することになる。
○ふれあい広場「さっぽろ」Kioskリリーの地下鉄出口1〜18のところ、誘導用ブロックが、全部点状ブロックで敷設されている。(地下鉄では、こうした箇所が多く目につくが、ブロックの敷設について、関係当局の点検を望む)
 階段手すりに点字テープを付けることも必要。

北洋ビルのところ
○北洋銀行から外への出口。10pくらいの段差がある。ここにスロープが欲しい。出口18番のところの誘導ブロックに跡切れがある。大通地下駐車場(大通西二丁目)
○障害者専用場所は設けられていない。介助者がいて地下街に出る時は南出口(北陸銀行前)を利用するしかない。しかし勾配が急でカーブしていて、車道歩道の区別は白線路面表示だけで危険である。
 地下街に出るためのエレベーターを設置し、障害者も利用できるようにしてほしいものだ。

市役所・経済センターの出口周辺
○エスカレーターの昇り口にブロックの敷設がない。手すりに点字テープもない。これでは視力障害の方はエスカレーターを利用できない。昇りきったところにすぐ階段があるが、その上の位置に線状ブロックを横並べして停止・注意をうながしている。これでは進めない。
 ブロックの色も周辺路面と識別がきわめて困難である。
○市民会館への出口も同じ状況。特に地上に出て、市民会館までの誘導が点状ブロックが使用されているのは何故か。
○オーロラタウンが展示や特設テレビで使用される時があるが、歩行移動に支障がない様な配慮をおねがいしたい。

地下街歩道から三越やパルコに入るには
○車いすの人は直接入れない。四丁目プラザのエレベーターを利用して地上に出なければならない。階段の一部分をスロープにすれば荷物の搬出入にも便利だと思うのだが。

その他
○西三丁目に出るエレベーターの案内表示がわかりずらいこと。

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札幌市からの回答

 10月22日に私たち協議会から札幌市へ36項目(民間企業も含む)の要望書を提出し、次のような回答がありました。その中から抜粋して紹介します。

1.札幌駅南側地下街再開発の際は、障害者が地下鉄を利用できるようにすること。
 現在進めています札幌駅南口地下街再開発工事の中では、地下商店街と地上部駅前広場との間には、エスカレーターやエレベーター等が整備され、スムーズな移動が出来るようになります。
 地下鉄駅と地下商店街の間の階段部は、再開発事業の範囲外ですが、エレベーターの設置を考えております。
 今後、地下鉄から、JR札幌駅への連絡につきましては、エレベーター等を利用し、スムーズに往来できるよう、関係機関と協議を行い、可能なかぎり早い時期に実現で来るよう努力して参りたいと考えています。

2.芸術の森、工芸館からのレストランへ行く石畳にスロープをつけ、ロッキング工法のところは改善し、第二,第三駐車場に障害者用スペースを設け、電動三輪車貸し出しの内容をパンフレットなどに載せ、事前にわかるようにすること。
 芸術の森は、丘陵地に建設されていることから、施設内の多くの道に勾配があり、また、石造りのため凸凹が生じてきている現況にあります。
 今後、施設改善に努めていく所存でありますが、ご要望のレストランまでの石畳の改善につきましては、来年春までに、可能なところから改善してまいりたいと考えています。
 電動三輪車の貸し出しの件につきましては、増刷時期等の機会をとらえて検討してまいる考えでございます。

3.地下鉄平岸駅・麻生駅・南郷18丁目駅・東西線円山公園駅や病院の近くの駅にエレベーターを設置すること。
 地下鉄駅のエレベーターについては、個々の駅の条件を検討していますが、駅舎の構造や、地上部の用地確保など、困難な課題があります。しかし、基本的に全駅に設置する方針であり、今後とも検討を進め、可能となった駅から順次設置していきたいと考えています。

4.冬、地下鉄階段が氷が張って危険なので、階段の安全管理の徹底をすること。
 地下鉄各駅出入り口の階段においては、凍結が考えられる箇所にパネルヒーター等のヒーティング用設備を設置し、冬期間の凍結を防止するとともに、通行時の安全確保に努めています。
 冬期間の駅出入り口における階段の凍結は、転倒等により、重大な事故につながることから、ご要望にありますおり、今後とも安全管理を徹底し、安心して利用できる駅施設を維持してまいりたいと考えています。

5.タクシーチケットを1回に2枚以上使えるようにすること。
 福祉タクシー制度は、障害者の方々に外出の機会をできるだけ増やしていただこうとの趣旨で、年間60回乗車分の基本料金を助成しているものです。従いまして、1回に数枚の利用券が使用できるようにした場合は、本来の目的が達成できなくなることから、1回の乗車につき、利用券1枚の使用とさせていただいております。

(残りは次号へ続く)



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ノンステップバスの運行について

 何年も前から要請し続けてきた、ノンステップバスがいよいよ札幌でも運行が開始されました。これは、多くの団体からのつよい要請につき動かされて、市が導入にふみきった形ですが、特に「”私たちもバスに乗せてくれ”運動の会」の活動は、導入に大きな役割をはたしたと思います。
 バスの特徴、路線、時刻等は別記の通りですが、まだまだ本格的運行までには、ほど遠い状況にあります。雪の多い北海道では、なおさらクリアーしなければならない課題は多々あります。
 私たちは、多くの団体と共に、点検活動を重ね建設的な提言はもとより、本格的な要請を継続する必要があります。

「ノンステップバス」(札幌市交通局提供)
ノンステップバス透視図

■ 特  徴

 1 歩道との段差が少なく,ステツプ面がそのまま床面になります。
 2 扉は中央より2分割して大きく開くグライドスライド扉としました。
 3 中扉には車椅子の方が乗降に楽なスロープ板を装着しました。
 4 車椅子が2台固定が可能な装置を用意しました。
 5 前輪タイヤの上に荷物置場を設置しました。
 6 保護棒を目立つように黄色にしました。

■ 運行開始  平成10年12月1日
■ 路  線 南4真駒内線 真駒内駅前→真駒内本町→西ll丁目駅
               →市立病院前
■ 運行時刻  時刻表に運行時刻を口で囲んで表示いたします
(平 日)
      (市立病院行)        (市立病院発)
    真駒内駅発 真駒内本町発    真駒内駅行 真駒内本町行
    12:42  7:03      7:45 13:38
    14:45 10:14     10:59 18:23
    19:45 17:38     15:40 20:34
※整備の都合などで車両が変更になる場合がありますので,ご利用の際は藻岩営業所(電話581一0161)ヘご確認の上で乗車を願います。


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