(1994年12月26日発行)
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交通権を考える連絡協議会の一年をふりかえって
事務局長 宮下 高
会も今年で3年になり、少しづつではありますが交通権と言う言葉も市民権を持つようになってきました。今年もパネルデスカッションと総会ではじまり、交通権110番、点検ツアーを行い、これらを要望書にまとめて関係機関に提出する準備を進めております。
110番では12名のスタッフが一日かけて55件の交通移動に関わる意見、要望、問題点などの相談をうけ、98種もの相談が寄せられました。歩道の傾斜、路面のデコボコ、ロッキングタイルの問題、歩道の障害物、高額なリフト付きタクシーの問題、JR駅の階段、地下鉄全駅にエレベーターをなど多種多様にわたり交通の諸問題が出されました。なぜ、交通機関が障害者にとって利用できないのか、利用できる交通システムがなぜ出来ないのかと言う切実な声をスタッフの一人一人が聞き、これらの問題解決の重要性を肌で感じたのではないかと思います。
今年の点検ツアーはひまわり号の人達に同乗させてもらい、スーパー北斗で函館に行きました。障害者用に完備された北梅道で初めての電車という事で私たちも期待しておりましたが、乗ってみると車椅子用の座席は一列車に一筒所しかなく、トイレも狭く、一般座席は車椅子が通れないなどの問題点が出され、運輸省のガイドラインがターミナルのみの適用で車両は含まれていないのか、JR北海道がガイドラインの通りにつくらなかったのか、いずれにしても確認をする必要がありますし障害者の意見を聞かないでつくった結果がこの様な使いずらい車両になつたことは間違いありません。これらの問題点の改善と障害者の意見を良く聞くことを要望することが必要です。
最後に私が感じたこととして、交通権110番を実施したのは交通移動に関して利用する人、利用したい人が日頃どのような不満、要求を持っているかを知り関係機関に改善要求をしていく事から始めたのですが、各機関に要求をして行くところが弱いように思います。欧米の障害者運動は自分達が何を必要としているのかを行政などへハッキリと示し運動を進めています。その様な運動の積み重ねが福祉先進国を作り上げたのではないでしょうか。
たしかに日本の風潮として相手に要求をすると言う事は勇気もいるし、決して愉快なことではありません。ですから出来れば避けたいと言う事も良くわかります。しかし、障害者運動基本は要求に基づいた運動であり、それを避けていては交通権が目指す「いつでも、どこでも、誰でもが安心して利用できる交通アクセス」は実現できません。交通権110番で出された貴重な意見、要望を運動を進めるための財産として、問題の解決に皆さんと一緒に頑張りたいと思います。
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投稿・寄稿
点検旅行に参加して
岩見沢市 山田雅弘
歩けなくなってから17年。電動車椅子に乗る様になってから、かれこれ8年余りになるがまさか函館迄旅行、それも往復列車。歩行出来たころは、良く交通機関を利用して外出していた事を思い出したりします。
幼い時から外に出たがっていた事がこの歳になっても忘れないのは、三つ子の魂・・・かも知れません。76年に函館に行って以来18年ぶりの旅行でした。
10月9・10日、両日(1泊2日)スーパー北斗で函館迄、参加人数は14名。所要時間は3時間6分。当日の朝は、岩見沢発6時22分の列車で札幌迄。電動車椅子で札幌迄出掛けるためには、岩見沢駅の一番ホームから発車する列車でなければ乗車は不可能に近い状態です。岩見沢駅には車椅子昇降機はありますが、電動車椅子を乗せて昇降するのは重量があり過ざるので無理な様です。もっと電動車椅子を使用している方々が列車を利用するようになればとも思います。それには駅まで行く交通機関の問題にもなりますが?
今年から運転を開始した振り子電車、まずは車椅子のままでは乗っていられない事が座席に座ってわかりました。この列車は通常ダイヤで2両だけひまわり号の貸し切りと言う事でその車両に便乗した次第です。このスーパー北斗には車椅子使用者専用席が設けられていますが車椅子から座席に移らなければならない事を考えれば特にと言う思いもしました。それに列車内での専用車椅子がまったく機能を果たせないと言うのは座席間の通路を通過出来ないと言う事でした。何のための車椅子なのかわかりよせん。
函館駅には5番ホ−ムに到着、これは通常このホームに着くのかどうかよくわからないと言うのは、このホームに着く事によって階段がなく特に車椅子使用者にとっては楽ですし、駅員さんにとっても。このホームは、改札口を通らずに行くので駅への連絡を事前にしなくてはならない事がわかりました。特に函館駅は、1番〜5番ホーム迄は、車椅子使用者にとっては使用しやすいですが事前に調べておく必要があるとおもいます。こうした事をしなくても気軽に乗れるようにしたいですね。後、点検と言うよりも観光と言う感じでした。思いがけなく夜景と、漁り火を観る事が出来行ってよかったと思いました。電動で走行してみて歩道の状態が車道に比較して劣っている事を痛感しました。以下に車優先に出来ているかが改めて思いしらされました。
宿泊先のトイレの方は電動車椅子では多少狭さを感じました。私のように脳性麻痺者にとっては手摺りが長く立ち上がって状態で肘の高さぐらいのが使用しやすいのですが、どちらかというと背損で腕力のある方向きに設計されているのが多く目につきます。特に公共の建物のトイレは。
「地下鉄東豊線の延長駅点検」
事務局 石川 祐治
地下鉄東豊線「豊水すすきの〜福住間を10月15日、市会議員の方々と我々車椅子4台、合わせて11名の参加で行ないました。全員大通り駅で待ち合わせたのですが、栄町から久しぶりに乗った私は、大通り駅の待ち合わせ場所を捜すの一苦労、自分がどの位置に居るのか案内板を見て理解するのにしばらく時間がかかりました。駅員にたずね、皆さんの待っていろ所にたどりつきました。
いよいよ点検開始です。その結果、東西線・南北線と同じく、改札口が挟く車いすでは入れない。キップを買う時、位置が高くて届かない者もいる。
一人で行動する場合すベて駅員を呼び出さなければ単独で行動出来ない様になっている。
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(2ぺーじよりつづく)
一日カ−ドは身障者には発行されていない。
ホームと車輌の高さが8〜10センチの段差がありー人では乗車しにくい。
以上の様な問題点はありますが、進んでいる点も多々ありました。車輌の一部に車いすマークで案内していた。叉東西・南北線に比べると大変な進歩である。各駅のトイレ仕様は入り口にインターホーンがあり、声をかけると駅員が遠隔操作でロックを解除してくれる。普段は必要以外の者が勝手に入れないようロックされており、これも一案かなと納得する。
終点福住駅。エレベーターで地上に出るとバスーターミナルは36号線を渡って約50メートル位の位置にある。当日は天気が良く難なく行けたのですが、雨や雪の時は車いすはもちろん、視覚障害者の方は不便を感じるはずです。連絡通通路が地下にありますが、バスターミナルへ直接行けるエレベーターは、なく、エスカレーターのみ、身障者、特に車いす利用者はバス利用は不可能です。
地上からバスターミナルに行きましたが、下りの長い階段と、幅の狭しエスカレーターがあるだけ、将来リフト付きバスが運行される様になったとしても利用不可能いいう事です。情けない話です。ターミナルの中には立派な身障者用トイレが設置されていろそうです。
帰りの途中、学園駅も点検して見ました。北海学園の中に駅があり通学には最高な場所です。工レベーターの前には「学生は階段を使いエレベー夕ーは使用しないように」と書かれてありました。いかにも日本人らしいですね。徐々にですが皆の意識は変わりつつあるようです。雪国に住む我々にとって地下鉄はなくてはならない交通機関です。より良くする為には、我々が進んで利用しなければなりませんね。同行して「改良の遅れでいる旧線を含め、改善を求めて行く」と云って下さった市議団の皆さんに感謝し、期待いたします。
社会福祉法人の設立にむけて
札幌いちご会
1992年、札幌いちご会設立15周年を記念して提案した「ノーマライゼーションタウン構想」は「自己決定と自己選択権の行使」というアメリカの自立生活センターにその思想を学び、障害者の自立生活を支援しでいくための拠点作りを目指したものです。私たちはその実現にむけて、いよいと活動を始めました。当面の目標は社会福社法人の設立です。
施設や親元から自立生活を目指している方にそのステップの場として入居する身体障害者福祉ホームを建設し、合わせて在宅で生活している方に自立生活プログラム、ピアカウンセリングなど自立にむけてのプログラムを中心にした在宅障害者ディサービス事業を実施するのです。
1987年から積み立てを開始した自立生活基金は8500万円にもなりました。しかし社会福社法人を設立し、事業を行うためには、こんににあってもまだまだ足りないのです。
時代は施設収容型の福祉から、地域福社、在宅福祉の時代へと変わってきています。私たちが長年訴え続けてきたノーマライゼーンョンの思想も今や多くの人達に受げ入れられつつわります。今こそ私たちは行政や関係者、団体の方々の協力を得ながら何としても夢を実現させたいのです。
どうぞ皆さんのご協力をお願い致します。
(文責 松田)
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第2回『交通権110番』報告
昨年に引き続き、第2回目の『交通権110番』を去る9月3日(土曜日)、4日(日曜目)の両日に渡って行いました。今回は北梅道と札幌市の後援を戴き、また昨年同様、NTT北梅道支社さんのご協力を戴いての電話相談でした。
昨年の経験から事前のPRの大切さを感じて、特にマスコミ関係へのPRを重視してどの様な方法で行ったら効果的かと、メンバーで色々知恵を出し合ったのですが、これといった方法が見つけられずに、昨年同様道庁記者クラブでの発表で終わりそうになったので急遽、泥縄ではあるが「交通権を考える連絡協議会」の歩みと『交通権110番』のチラシ、開催要領文書等をセットにしてラジオ・テレビ放送局(8社)の特に報道部門に的を絞って郵送しました(この効果は残念ながら不明です)。
今年の結果は、相談件数では55件、相談票の枚数では62枚になりました。昨年に比べて殆ど増えていないということで、内容的に見ても余り変化は見られませんた、よく見ると具体的な場所、建物などを挙げて改善を求めるといった相談が若干多かった様に感じました。紙面の都合上すべてをご紹介できませんが概略を掲載いたします。
□ 相談総数 55件
□ 内容別相談件数
項 目 | 件 数 | 項 目 | 件 数 |
路線バス | 10 | JR | 4 |
地下鉄 | 18 | タクシー | 10 |
道 路 | 19 | 建物等 | 7 |
飛行機 | 1 | 協議会 | 3 |
全般 | 5 | その他 | 21 |
合 計 | 98 | | |
□ 相談者について(障害別)
項 目 | 件 数 | 項 目 | 件 数 |
視覚障害 | 3 | 発達遅滞 | 1 |
肢体障害 | 40 | 内部障害 | 1 |
精神障害 | 1 | 不 明 | 3 |
な し | 6 | | |
□ 相談内容
●路線バス 延べ件数 10件
今同は運転手さんの対応に対する要望などば殆ど無くなり、リフト付バスの導入を求める声が強く出され、昨年との違いを感じました。
○バス利用時に手帳とチケットの両方を出すのが大変なので片方だけにしてほしい。
●JR(列車、駅舎) 延べ件数 4件
今回は咋年(こ比ベ、件数が随分滅りました:設備やサ一ビスが良くなったのでしょうか?
○列車の乗降に使うスロープが駅によってまちまちで2枚使う方式のは危ない。また急な傾科の物も危なくて落ちそうになったこともある。
●地下鉄 廷べ件数 18件
全駅にエレベーターの設置を求める声が圧倒的に多く、障害者の利用が多い事が感じられました。
○電動車椅子で地下鉄を利用するとき、板を用意してもらうが、降車駅に板が用意されていないことがあり、降りられずに乗り越す事があった。
●タクシー 延べ件数 l0件
今年も料全の高さと、運転手さんの対応に関する要望が多かった。
○福祉タクシー券を増やしてほしい、病院に週2回、それ以外買い物などで1週間に8〜9枚を使用する。
(5ページへつづく)
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●道路 延べ件数 19件
最近持に目立つようになつたカラフルなイン夕ーロッキング舗装、比較的広いと言われる札幌の歩道にも苦情が多い。
○タイル舗装を変えて欲しい。振動が激しく、車椅子だと足が落ちて危険。きっと赤ちやんも乳母車で乗り心地が悪いと思います。
●建物等 延べ件数 7件
トイレ、エレベーター、スロープ等に関する要望が多かった。
○「がでる2・7」(道立の福祉ボランティア関係団体の集まった建物)の駐車場の料全は車椅子使用者本人が運転していれば無料になるのに自分で運転出来ない方が自分の用事でボランティア等の介助者に頼んで利用する場合無料にならないのはおがしい。
※この件は、昨年も道の方へ要望しましたが、検討するとの同答があったきりで、その後の進展はありません。再度要望したいと思っいます。
●飛行機 延べ件数 1件
昨年は、酸素ボンベの使用についての質問でした。
○私は飛行機に乗ることがあります。電動車椅子ですが、車椅子が荷物扱いになるために台車(飛行場にあるもの)に乗ります:それが出発の1時間以上も前に乗る時があります。せめて台車に乗るのは30分前くらいにしてほしい。車椅子まま機内に乗れればー番良いが。
●交通権協議会 延べ件数 3件
交通権を考える連緒協議会に対する要望がありました。
○個人で役所に要望しても聞いてくれないので、交通権で顕張って欲しい。
●全般 延べ件数 5件
設備やマナ一など幅広い要望がありました
○障害者用にと作ってあるものが使いづらい、障害者の意見を聞いて作っているのだろうか?
●その他 延べ件数 21件
交通に関するマナ一やモラル、各種のシステムに関する要望。具体的な施設名を挙げての改善要望など、ちっとした気配りで改善出末るものが沢山放置さている
○歩道のタイルが白杖に引っ掛かり危険だ、白杖が引っ掛からないよう滑らかなものに改善して欲しい、
今年も昨年同様、いやもっと以前がらの要望が繰り返されていました。特に歩道のインターロッキング舗装については具体的に市や開発局等の施工担当者にまで意見が届いているはずなのに、一向に改められる様子がありません。何故この方法が良いのかをはっきりと示して欲しいものです。
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「障害者の日」運輸局と道に要望書
国際障害者年のスタートにちなんで設定された12月9日の「障害者の日」に、先頃行われた交通権110番に寄せられた意見をまとめて、北海道運輸局総務課と北海道生活福祉部障害福祉課に対して要望書が提出されました。
この日の行動には後藤副会長、宮下事務局長をはじめ6名の役員、事務局員が参加しました。
札幌市他、公安委員会など関係機関にも要望書を提出する予定です。
『事務局だより』
9月 8日 役員会議 かでる2・7 18時30分
10月13日 役員会議 かでる2・7 18時30分
10月15日 地下鉄東豊線延長駅点検
→(福住駅・学園前駅)
11月 8日 役員会議 かでる2・7 18時30分
12月 6日 役員会議 かでる2・7 18時30分
12月 9日 要望書提出 →運輸局・北海道
交通権を考える連絡協議会のパンフレットができました!知り合いの方やお友達に配って活動を広めましょう!
『編集後記』
冬の街を障害者が歩く!!
会では「冬の札幌の街」点検・調査を2月に予定しています。
一緒に点検・調査に行きましょう。内容や方法についてご意見がありましたらお寄せ下さい。
2月のスケージュールはあけておいてネ。
これから、ドライバー又は歩行者にとってもイヤな季節になりますが、安全運転・安全歩行に十分注意して、よいお年をむかえて下さい。
交通権新年会のお知らせ!!
日時 平成7年1月14日(土)午後6時〜8時
場所 ホテルサンルート札幌
会費 5千円(飲み放題)
参加申込 1月6日まで
※0123(33)1840宮下まで
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