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95交通権レポート第1回

 様々な活動の成果を要望書にまとめて、昨年12月9日、障害者の日に北海道等に提出しましたが、その回答がこの度北海道の生活福祉部長より寄せられました。  昨年の回答とほとんど変わらぬ内容で少々失望するような結果ではありますが、とりあえず皆さんにお伝えします。


地福第548号
平成7年1月19日

交通権を考える連絡協議会会 長  曽 我 則 明 様
北海道生活福祉部長
武 田 祐 男

要望書に対する回答について

 日頃から、北海道行政に対し貴重な御意見を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、平成6年12月9日にいただきました要望書について、別添のとおり回答います。

 北海道としては、いただきました御要望に沿って関係機関等にも要請しますとともに、今後とも、障害をもつ方々などが暮らしやすい社会を築きあげていくよう努めて参りたいと考えておりますので、引き続き御協力を賜りますようよろしくお願いします。

(高齢化・地域福祉対策室地域福祉課地域福祉係)
「交通権を考える連絡協議会」からの要望に対する回答

(要望項目番号 1)
 現在のタクシーチケット額では1カ月程度で使い切ってしまいます。重度障害者タクシー料金補助事業費の増額をしてください。
(回答要旨)
 道としては、地域福祉振興事業のなかで昭和56年度から「重度障害者タクシー料金補助事業」として市町村への補助を行っており、重度障害者の方々の交通手段の確保を図っております。
【重度障害者タクシー料金補助事業】
○対象者
 身体障害者福祉法第15条第4項の規定により、身体障害者手帳の交付を受け、その程度が1級又は2級である下肢障害者(児)、体幹機能障害者(児)、乳幼児期以前の非進行性の病気による運動機能障害者(児)のうち移動機能障害者(児)並びにその障害程度が1級である心臓、じん臓若くは呼吸器又はぼうこう若くは直腸若しくは小腸の機能の障害者(児)。
○助成方法
 タクシー料金助成の具体的方法(チケット交付、現金給付等)及び一人あたりの助成額については、市町村で決定する。
○補助基準額
 1市町村当たり、1、030千円

 今後とも、障害者の方々や市町村のご意見、ご要望をお聞きしながら検討していくとともに、事業の適正実施に努めて参りたいと考えております。

(要望項目番号 2)
 リフト付きタクシー、ハンディキャブの運行業者に対して補助金を出してください。又、住宅と施設をつなぐ障害者専用交通システムを市町村などで実施できるよう補助金の増額など有効な施策を講じてください
(回答要旨)
 リフト付きタクシーの導入は、車いす等を使って生活している重度身体障害者の社会参加を促進する上で有効なことであり、道としましては、タクシー運行業者等が導入するリフト付きタクシーの購入費について、市町村を通しての助成を今年度から始めたところであります。
 また、障害者等の専用の移送手段の確保につきましては、これまでも市町村に対し、福祉バス、在宅福祉サービス車の購入費を助成して参りましたが、今年度から、福祉バスのリフト付きバスへの整備費用に対する助成も行っているところであり、今後とも事業の充実について検討して参りたいと考えております。

(要望項目番号 3)
 携帯用電話購入の障害者に助成金及び割引ができるよう国・NTTに働きかけてください。
(回答要旨)
 携帯用電話購入については、現在のところ助成・割引制度はありません。
 障害者が自立した生活を営むことを容易にするために、日常生活用具給付等事業がありますが、要望の趣旨を踏まえ、携帯電話についても事業の品目として新たに追加することなどについて、国に要望して参りたいと考えております。
 割引については、NTTなどと相談して参りたいと考えております。

(要望項目番号 4)
 音響式信号機の設置を積極的に進めるよう関係機関に働きかけてください。
(回答要旨)
 視覚障害者用信号機の整備につきましては、視覚障害者が道路において安全な横断を確保するため、視覚障害者の通行が多い場所を重点として北海道視力障害者福祉連合会及び各市町村等関係機関・団体と連絡をとって整備を進めております。
 その結果、道内での視覚障害者用音響付加装置式信号機は、平成5年度末で286箇所に設置されております。今後も必要に応じ、整備を推進して参ります。
(備考)平成6年度計画〜12基

(要望項目番号 5)
 道路をつくるときは設計の段階から障害者の意見をよく聞き、モニターなどから意見を聞く際は障害者の代表も入れるようにしてください。
(回答要旨)
 道路の設計にあたっては、地元市町村を通じるなどして地域の方々の意見を反映させているほか、モニターからの貴重なご意見を十分反映させ、整備を行っております。
 今後とも、北海道福祉環境整備要綱などに沿って、障害者にやさしい道づくりを進めて参りたいと考えております。
 また、モニターにつきましては、障害者の方々もモニターに委嘱しているところでありますが、今後とも、障害者の方々の意見反映に努めて参りたいと考えております。

(要望項目番号 6)
 ロッキング工法のタイル歩道は車椅子使用者にとって振動が大きく進みづらく、視覚障害者は白杖で歩くと、タイルの目地にひっかかって歩きにくいので、目地を無くすか、間隔を狭くしてください。
(回答要旨)
 歩道のインターロッキング工法については、地元市町村やモニターからの貴重なご意見を十分反映し、整備を行っております。
 今後とも、北海道福祉環境整備要綱などに沿って、車椅子の使用者や視覚障<害者の方々の利用にも十分配慮し、安全で快適な道づくりを進めて参りたいと考えております。

(要望項目番号 7)
 バス会社に対してリフト付きバスの導入をするよう積極的に働きかけてください。
(回答要旨)
 車いす使用者等にとって、リフト付きバスは移動・交通手段として効果的であると認識しており、これまでも北海道バス協会に対しリフト付きバスの導入について相談してきております。各バス会社においても、その有用性など理解を示しているものの、積雪・寒冷・購入価格等の問題のため、導入に至っていない状況にあります。
 このように、なかなかむずかしい問題もありますが、今後ともリフト付きバスの必要性等について理解を求め、導入について継続して要請して参りたいと考えております。
 また、国の補助事業で、平成7年度から新たに、民間の路線バス事業者が行うリフト付きバスの導入に対し、補助が行われることとなりましたので、このような補助事業も積極的に活用していただくよう併せて要請して参りたいと考えております。

(備考)
○公共的な交通機関におけるリフト付きバス導入状況
 ・北紋バス 1台(紋別市所有、障害者・高齢者団体対象、事前登録が必要)
 ・近畿日本ツーリスト 1台(観光用バス)
 ・中央バス 2台(観光用バス)

(要望項目番号 8)
 障害者がタクシーチケット・タクシー料割引制度を利用する際、タクシー運転手から手間がかかるなどと言われるトラブルが起きチケットを思うように利用できない障害者も出ております。タクシー運転手に対してチケット・割引きの理解を深めるため教育をするようハイヤー協会に要請してください。
(回答要旨)
 タクシー料金の障害者割引制度につきましては、平成5年6月から身体障害者手帳等の提示だけで利用できるようになるなど、利用者のための制度改善が図られてきております。
 しかし、乗務員等がこれらの制度を理解し、運用していくことが前提となるため、これまでもハイヤー協会等に要請して参りましたが、今後とも引き続き、制度の適正な運用が図られるよう関係機関等と協議の上、要請等を行って参りたいと考えております。

(要望項目番号 9)
 歩道に車が乗り上げて駐車しているため車椅子・視覚障害者の歩行の障害になっています。関係機関と連携をとりながら視覚障害者が安心して歩行できるようにしてください。
(回答要旨)
 車両の歩道駐車は、歩行者の通行の妨げとなる迷惑性の高い違反のひとつであり、これまでも取締を行っておりますが、今後も、これら危険性。迷惑性の高い違反を重点に指導取締を実施し、歩行者が安心して通行できるように努めて参ります。

(要望項目番号10)
 障害者用駐車場に一般の車が駐車していることが多いので、障害者用駐車場についての理解を広報などを使って広めてください。
(回答要旨)
 障害者用駐車場の使用については、駐車場を利用する方々の障害者に対する十分な理解が必要であると考えられます。
 このため、道としましては、地域の方々が障害者に対する理解を深めていくよう、今後とも、普及・啓発を行っていきたいと考えております。
 なお、障害者専用駐車場の整備につきましては、今後とも、北海道福祉環境整備要綱に沿って整備されるよう普及・啓発を図って行きたいと考えております。

(要望項目番号11)
 かでる2・7の駐車場を利用するとき、障害者を乗せてきたボランティア等の介助者も無料にしてください。
(回答要旨)
 駐車場の使用料につきましては、車いすを使用する方が自ら運転し、駐車場を使用するときに、免除する取扱いとしております。
 この取扱いは、介助者もなく自ら自家用車を運転しなければ来館する手段を持たない方に対しての、特例的な措置として取り扱っているものですので、ご理解をいただきたいと思います。

以上です。
昨年の回答と比べて見ると大部分がその引き写しと言って良いような内容です。細かな数字に若干の変化が有るだけで道は真剣に私達の要望を検討したのか?と疑問を感じざるを得ません。


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