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96交通権レポート第6回

「交通権を考える連絡協議会」
1996年度年次総会報告

 去る6月2日(日)今年度総会が開催されました。今年で5年目を迎えました。2年の任期を終えた役員の皆さんの改選も行われる大事な総会でした。
 シンポジュウムや、パネルディスカッション、講演会など総会の度に行った行事も、今年は会員の交流会を行うということになり同じ会場で、総会に引き続き行われ、日頃あまり会う事の出来ない会員同士の懇親を深める有意義な日となりました。
 今回は、総会の議案書をそのままですが、お届けします。また、従来決算、予算の内容は省略していましたが、今回は全てお届けし、会の実態を少しでもわかってほしいと思います。

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交 通 権 を 考 え る 連 絡 協 議 会
   1996年度年次総会議案

式次第

1.開会あいさつ
2.会長あいさつ
3.議長選出
4.議  事
  @第1号議案
     1995年度事業活動報告
  A第2号議案
     1995年度会計報告
          および会計監査報告
  B第3号議案
     1996年度事業計画(案)
  C第4号議案
     1996年度予算(案)
  D第5号議案
     役員改選
5.議長解任
6.閉会あいさつ

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4回総会から現在までの交通権のスケジュール

1995.6.10〜1996.5.30

1995年
  6月10日 第3回定期総会・「ベンチレーター 空の旅」
                       佐藤きみよさんレポート報告
    29日 役員会(かでる2・7、18:30)総会・報告会の反省、事業計画の
        確認。 役割分担、点検旅行日程など。
  7月27日 役員会(かでる2・7、18:30)点検旅行内容の検討。
  9月28日 役員会(かでる2・7、18:30)帯広点検ツアー最終確認、阪神・
        淡路大震災講演要綱、チケット・チラシ・ポスターなどについて。
10月7・8日 帯広点検ツアー
  12・14日 阪神・淡路大震災講演会チケット・チラシ・ポスター発送作業(難病
        連センター)
    19日 役員会(難病連センター、18:30)講演会チケット・チラシ・ポスター
        の配布状況の確認、講師との連絡状況。帯広点検ツアー結果報告。
 11月14日 役員会(難病連センター,18:30)阪神・淡路大震災講演会参加者集
        約・役割分担・横断幕作成など
    21日 役員会(難病連センター、18:30 )講演会最終打ち合わせ、講師
        送迎などについて。
    26日 阪神・淡路大震災講演会(かでる2・7、13:00〜)
 12月14日 役員会(難病連センター、18:30)講演会の反省、予算・決算状況、
        交通権110番の日程について
    16日 交通権110番部会議(札幌身障センター、18:30)110番の内
        容について
1996年
  1月16日 交通権110番部会議(かでる2・7、18:30)110番要綱・チ
        ラシ・ポスター原案作成について。
    18日 役員会(かでる2・7、18:30 )110番要綱・チラシ・ポスター
        の内容、 臨時電話設置依頼について。
    26日 110番部会議(かでる2・7、18:30)
  2月 1日 役員会(かでる2・7、18:30)110番チラシ・ポスター発送先
        の確認と印刷担当、ボランティアの依頼など。
     8日 110番部会議(かでる2・7、18:30 )
    22日 役員会(かでる2・7、18:30 )110番参加者の確認と役割分
        担。ボランティア参加者の人数などの最終確認。
    22・25日 交通権110番実施。(二十四軒身障福祉センター)
  3月14日 110番部会議(かでる2・7、18:30 )相談件数、内容の集計
        についてと反省。
    21日 役員会(かでる2・7、18:30 )110番の結果説明と今後の取
        り扱い。
  4月22日 役員会(かでる2・7、18:30)神戸・淡路の教訓で札幌市と懇談
        会開催の進め方について。
    24日 「災害に強い街づくり」をめざしての交通権・札幌市懇談会。札
        幌市庁舎(9:30)
  5月23日 役員会(かでる2・7、18:30 )総会の資料作りと総会案内の発
        送状況
    30日 役員会(かでる2・7、18:30 )当日の進め方と役割分担、参加
        状況の確認。

第1号議案

1.JR北海道スーパーとかちを利用した点検と交流旅行

 10月7・8日にJR特急スーパーとかちを利用して列車・帯広駅の点検と帯広車椅子の会代表の吉沢一広氏との交流が主な目的となり、会員・ボランティア12名(電動車椅子2名、手動車椅子3名)参加し、パソコン通信で点検旅行を知り、参加された名古屋市の車椅子の方もおりました。
 スーパーとかちは通路幅が57センチと電動車椅子でも通れる幅で思ったよりスムーズに乗降できました。だだ、他の車両には階段があり、車椅子で利用することが出来ませんし、車椅子トイレもなく3時間の乗車中は我慢するしかありません。帯広車椅子の会吉沢代表との交流では吉沢氏から帯広の車椅子で歩ける街づくり、国鉄(現JR)に対して駅改善要求運動などの経験が話され約2時間の交流となりました。帯広駅の点検については新駅建設中で点検できませんでしたが、現駅に車椅子トイレ、列車の乗降用スロープ、駅員の対応を見ると「スーパーとかち」を利用する限りは利用可能だと思いました。

 今回は事前に帯広駅からホテルまでの交通手段にリフト付きタクシーの予約をしましたが、事前予約がなければ利用できないリフト付きタクシーでは旅行中気軽に利用できません。タクシーのように電話一本で利用できるようになればもっと快適な旅行を楽しめたのではないかと思います。

2.「災害に負けない、ともに生きる街を」の講演会開催

 昨年の阪神・淡路大震災は日本で初めての近代建築物が立ち並ぶ大都会での大規模な地震、その被害の多さ、特に災害弱者と言われるお年寄り、障害者の被害は類を見ない規模に達しました。その教訓を今後予想される北海道の地震対策に役立てるため昨年11月26日に被害を受けた四肢麻痺の横須賀俊司氏と災害救援活動を行ったボランティア中内福成氏のお二人を招いて「かでる2・7」を会場に106名の参加で講演会を開催しました。
 講演会には障害者だけでなく建築家、行政関係者、ボランティアから、遠路苫小牧、旭川などからの参加もあり4時間にわたる講師の話しを聞いていました。
 横須賀氏の話では「被害が高齢者、障害者に集中している」「避難所に段差があり、障害者用トイレがないなどで倒壊寸前の自宅に帰らざるを得ないケース」「安否確認の遅れ」などが指摘され。中内氏からは「避難所での集団生活になじめない知的障害者、精神障害者の問題」「日常、服薬している障害者の薬の確保の困難」「被災地以外での救援センターの確保の必要性」などの問題が出されました。
 また、討論の中では「同じ時期に同じ規模の地震が北海道で起きたら更に被害が拡大したのでは」「視力障害者には慣れない避難所への避難はひとりでは出来ない」などの意見が出されました。
 講演会を通じて分かったことは「災害に負けない、街」は「障害者に住みよい街」でなければならない、日常的な障害者運動と地域コミュニケーションづくりを更に強める必要があります。

3.交通権110番

 今回の110番は相談内容に応じて実際に相談現場に行って見て、直接会って聞くをモットーに2月24・25日の両日二十四軒の身障福祉センターで行いました。
 今年は昨年より相談件数が、40件と15件ダウンしましたが、肢体障害者が20件と半数に達し、次いで視力障害者の7件。相談内容は大雪のせいか道路が15件と多く、次いでバス10件、地下鉄、制度各9件、タクシー8件となり、昨年に続き市内交通問題が多くなっています。道路では地下鉄駅、障害者トイレの出入り口の除雪が悪い、歩道のロードヒーティングの段差の解消。バスではリフト付きバスの運行、バスの行き先案内をしてほしい(旭川)などがありました。
 現場の見聞は相談相手・内容などから行く機会がなく、前もって決めていた桑園駅〜市立病院の歩道、ロードヒーティングの点検、増築された北広島駅の点検などを行いました。

4.阪神・淡路大震災の教訓をと札幌市と懇談

 4月24日に「災害に負けないともに生きる街を」講演会で出された貴重な話を札幌市の地震対策に生かしてもらいたいと懇談会を開きました。交通権からは後藤会長代行他7名と札幌市からは建設局、建築局、消防局、民生局からそぜぞれ係長クラス8名が参加しました。2時間という短い時間のなかどちらかと言うと市サイドの防災計画緊急対策の中身の説明に終わり、交通権の問題提起に対する質問があまりなかったようです。また、札幌市防災会議地震対策部会に障害者の代表が入っていないのは問題です。

5.学習会・講演会の実施

3.とダブりますが「災害に負けないともに生きる街を」講演会を実施。

6.会報の発行

年4回発行(10〜13号)

7.会員拡大

個人会員 15名拡大

8.財政活動

募金 5万3千円、 ハガキ 200枚、 80円切手 100枚

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第2号議案

1995年度会計報告
(省略)

第3号議案

今年度の事業計画
1.「交通権110番」は昨年と同じ内容で行います。
2.点検ツアー:フェリーに乗って、稚内点検ツアーいずれか要望を聞いて決めます。
  身近な所の点検活動。
3.行政や交通機関への要望書提出
4.交通権の権利についての学習会、市・道職員を含めた車椅子・アイマスク体験の
  実施。
5.会報「交通権を考える」の発行
6.個人・団体・賛助会員の拡大
7.公的・民間の助成制度の活用と個人・団体募金を積極的に進める

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第4号議案

1996年度予算
(省略)

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第5号議案

役員改選
 1.会 長 後藤 昌男 (全障研)

 2.副 会 長 我妻  武 (メビウスの会)

        高橋 ミユキ(アカシヤ会)

 3.事 務 局 長  宮下  高(カレジャス・アクション・グループ)

 4.事務局次長  木下 祥子

          小谷 晴子

 5.会 計  石川 祐治

 6.会 計 監 査  末広 智秀(自立塾)

         倉貫 元美

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交通権を考える連絡協議会規約

<省略>


 以上が総会での議案とその決定内容です。
 今年は仕事の都合で総会に出席出来ず、例年行ってきた録音が出来なかったため、途中、及び最後の質疑応答、あるいは交流会の模様などが紹介出来ませんでした。
 今年度のいろいろな事業に出来るだけ参加し、その模様や成果などを可能な限りお伝えしていくつもりでいますので、どうぞ宜しく。


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