96交通権レポート第7回
前回、総会のレポートで今年度の事業計画の中にあった「点検旅行」の詳細が決まりましたので、お知らせします。
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点検ツアーのお知らせ
◎フェリーで“リフトバス”の走る仙台点検ツアー
◎日時 9月15日(日)〜18日(水)
◎行き先 仙台市
◎旅程 9月15日(日) 午後3時00分 集合 : かでる27
午後6時30分 苫小牧よりフェリーに乗船
(船中泊)
16日(月・振替休日)
仙台到着(仙台市内ホテル泊)
17日(火)仙台よりフェリーに乗船(船中泊)
19日(水)苫小牧到着 札幌へ、
◎行動予定 ・フェリーターミナルの点検。
・フェリー内部の点検。
・仙台にて、リフトバスの乗車体験。
・仙台の「障害者福祉協議会」との交流・懇談会の開催。
・仙台市内観光。
◎費用 一人当たり4万円前後(助成金があれば多少安くなる)
*以上のような要領で実施することになり、約15名の申し込みがありました。
電動車椅子使用者が2名、手動車椅子使用者4〜5名、杖(歩行困難)使用
者なども。介護及び運転手要員として健常者が4〜5名参加予定です。
点検ツアー(仙台)レポート
交通権を考える連絡協議会で毎年、行っている点検ツァーは、今年はフェリーに乗っての仙台旅行となりました。旅行の目的は、フェリーの点検とともに仙台市が実施しているリフト付路線バスの実施内容を調査する事と、実際に利用する障害者と交通問題についての意見交換を行い、北海道の障害者交通問題の参考にし、特に札幌市の路線バス導入運動に役立てるのが目的です。
9月15日、車椅子使用者6名、電動車椅子2名、ボランティア5名がリフト付ワゴンと乗用車2台で行きは太平洋フェリー、帰りは東日本フェリーに乗船し、14時間の船旅です。車での乗船でしたから車から降りて、客室まではエレベーターで上がれるようになっています。ただし、レストランに行く時は階段を上げてもらわないと行けないのと、障害者用トイレがないので、自前の尿器で用をたさなければなりません。太平洋フェリーの「石狩」は障害者の設備が完備されているので、利用される方は事前に調べてから乗るのが良いと思います。船は天候が良いと快適な船旅を楽しめますが、天候が悪く風の強い日は地獄のような思いをしますので気をつけてください。
仙台市の障害者との交流会ではリフト付き路線バスの利用状況やリフト付き自動車の運行内容、北海道の冬における交通問題などが話し合われ有意義でしたが、参加した障害者の大半が自家用車を運転するので、交通問題に詳しくないのが残念でした。
翌日は仙台交通局を訪問し、実施するまでの経過と実施後の状況問題点などを聞きました。実施時期は平成4年からで、実施するまでの大きな問題としては、交通安全の関係で警察との話し合いだったそうです。ラッシュ時は避けて午前9時から午後5時までとするが、歩道が狭すぎて直せない停留所の乗降は禁止するなどの条件での実施の運びとなりました。
当初、1路線往復10・3キロ(車輌2両)だけでしたが、平成6年にさらに1路線往復11・5キロ(車輌2両)を増やし、現在2路線(4輌編成)の運行を行っています。
利用状況については、初年度は月平均3・2人と少なかったが、今年度8月現在は月平均14・2人と徐々に増えています。今後の問題としては、路線沿いの障害者は利用しやすいが、路線から離れた障害者の利用が少ない。さらに路線を増やすにも仙台市の道路は狭く、交通安全上なかなか難しいとの事です。札幌市が雪の問題でリフト付き路線バスをためらっていると話したら、雪の問題よりも札幌は道路が広いのでやりやすいと話していました。また、実際にリフト付き路線バスに車椅子での乗車体験などもしました。
交通権を考える連絡協議会事務局長
宮下 高
尚、この旅行については、「交通権を考える連絡協議会会報第15号」にも掲載されています。
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