98交通権レポート1
=円山球場・陸上競技場点検記=
札幌・円山球場に身障者用エレベーターとトイレが新設
車いすのため観戦を断念せざるを得なかった野球ファンの仲間にとって、6月8日の道新の記事は実に嬉しいニュースだった。
三年前、私たち協議会の構成団体のひとつである「ひまわり号を走らせる札幌実行委員会」が、熱烈なプロ野球ファンの声に応えて「日ハム対西武」の観戦を企画したのだった。当時は、多くのボランティアの力をかりて特設の観客席まで移動するのは大変だったし、トイレは隣りの陸上競技場を利用させてもらう有様だった。同実行委員会はその情況の改善をもとめて、市教育委員会に要請書を提出してあったのだった。
こうした経緯があったこともふまえ、「交通権」では、早速点検に出向いた。市教育委員会から生涯学習部スポーツ課早坂施設係長、財団法人札幌スポーツ振興事業団円山総合運動場古戸場長が案内して下さった。私たちは宮下、石川、後藤の三人。
[円山球場]
・駐車場----障害者用常設二ヶ所設けられる。高校野球など市教委が主催する場合は問題ないが、プロ野球など主催者側が会場全体を仕切る場合、その都度話し合いによってきまるとのこと。
私たちとしては、せっかくの教育委員会の配慮が、主催者によって無駄にならないように指導して欲しい旨、要請した。
・エレベーター----正面入口横から二階へ、一台設置された。
・身障者用トイレ----二階のエレベーターホール横に新設された。
鏡が少し高いこと、おむつ交換の場所が必要なことを伝えた。
・車いす用観客席----バックネットうらに10席新設された。早坂先生の説明では、一般席40席分の広さを確保したとのこと。
・その他、売店の利用、電話の利用も支障なくできる。FAXの設置は是非必要だ。
[陸上競技場]
・昇降機----出入口階段にそって昇降機(ストップリフト)が設けられた。乗時間片道1分10秒。90sまでOK。安全のため介助者がつくことが必要。
・車いす用観客席----五席が設けられている。
・身障者トイレ----観客席に近いところに一ヶ所新設された。
球場は四半世紀ぶり約6六億7千万円をかけた大改修工事によって、障害者の野球観戦の楽しみがひとつふえたことはうれしいことであった。しかし今回の改修にとどまることなく、身体障害者以外の視覚・聴覚に障害をもつ人への配慮もさらにすすめてもらいたいものだと思った。
追記----市教委では美香保プールの改修も予定しているとのことであった。連絡は市教委スポーツ課。011(214)4603、円山球場011(641)3015(後藤記)
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