交通権レポート第9回「点検旅行−3」
<夕食会・交流会>
司会 それでは続いて各班毎に報告をしていただきます。
第1班(JR組)
曽我さん
第1班の曽我です。どうぞ宜しく。
丸山さん
思った以上に楽に来られました。有り難うございました。
三島さん
13:30発のライラック13号で1時間20分の列車の旅を楽しんで来ました。ライラックの2つのタイプの内、いい方に当たったようで、車椅子の人とも一緒に居るとができました。曽我さんなどは「これはいい列車だ」と感激しいました。
まず、切符を買うところから言いますと「みどりの窓口」へ行くためには、入口に階段が2段あって、ずーっと遠回りさせられ、カウンターは1m10cmもあって、届かないのです。切符は障害者割引よりS切符のほうが安いよとの駅員さんのアドバイスで、障害者割引2320円のところS切符では2210円でした。
車両の入口は63cmで、丸山さんの電動車椅子が60cm、ギリギリで入ることができます。通路は64cmで、ずーっと通れます。このタイプの車両なら1人でも旭川まで来られるね、と話したことでした。ただ、車両の出入りの際の方向転換には狭くて大変苦労しました。旭川駅ではエレベーターで荷物扱いされましたが、他はスロープも1枚板のスロープでスムーズに降りられました。
第2班(JR組)
藤井さん
列車の旅は初めてです。今までJRは手稲星置駅まで何回か行きましたが 今回のJRは障害者の事を真正面から受け止めて、もう少し企業努力をして欲しいと思いました。
宮下さん
札幌から普通列車に乗り、岩見沢でL特急に乗り換えて旭川まで来ました。岩見沢までは非常に古い列車で、ホームと列車の間が凄く高くて、特に電動車椅子は重いので駅員さんは大変苦労していました。岩見沢駅で降りる時も随分手間取りました。
列車内では、車椅子のいる場所がないとういことで、人が通る度に、あちこち移動しなければならないのです。座席を一つ外すことが出来れば解決することなのですが。
旭川駅を点検して感じたことは、「券売機」のことです。点字ブロックがあって、券売機の所まで誘導しています、券売機には金額を点字で表示してありますが、運賃表に点字の表示がないので、いったい行きたい所へは幾らの切符を買ったらいいのか分からないのです。
JRも色々と努力をしているのでしょうが、もう少し障害者の意見を聞いてもらいたいものです。旭川駅では「今日は何かあるのですか?車椅子の方が大変多い」と聞かれましたが、「何もありません」と答えました。このように、色々な交通機関を利用して、一か所に集まるということもユニークでなかなか面白いなと思いました。
第3班(JR組)
石川さん
私と家内と、吉田さんご夫妻との4名で来ました。L特急のS切符を買い、どうも、二つのタイプの悪い方に当たってしまったようで、最初入口近くの人に「車椅子なので席を代わってもらえませんか」とお願いしたのですが、知らん顔されてしまって、、、、通路で肩身の狭い思いで来ました。
吉田さんは車両を変えたところ、入り口近くのお客さんが進んで席を代わってくれたそうです。通路は車椅子が何とか通れましたが、座席には入っていけませんので、車椅子を畳んで、通路に置いて座るわけです。
入口の幅はの狭い方と、広い方があり、一方は64cm、もう一方は80cm程でそちらから乗りました。岩見沢で思いがけず宮下さん達が同じ列車に乗り込んで来まして、車掌さんが「車椅子の方が乗りましたよ」と知らせてくれましたが、知らんふりをして別々に行動しました。ホームと列車の段差が25cm程もありましたが、駅員さん(だいぶ年配の方でしたが)は慣れた様子でさっさと降ろしてくれました。
石川さんの奥さん
車椅子ということで、駅員さんに頼みに行ったところ、少し早すぎたのかもしれませ
ん、「こんなに早く言われても困るんだよなぁ」(と、独り言、みたいでしたが)と言われ、「乗る15分前位にもう一度来てください」とのこと。「駅員が足りないんだよなぁ」という言葉が聞こえました。こんな言葉を聞くと、悪いなぁという気もしますが、仕事じゃないのかなぁという気もしますし。やはり聞きたくなかったなぁと思います。あとはまあ本人達の前ではとても良くしてくれたと思っています。あの一言ればもっと良かったと思いました。
吉田さん
トイレに行きたかったが、車両のトイレを妻にメジャーで計ってもらったら車椅子では入れないと分かったので諦めました。札幌駅では駅員にスロープで乗せて貰いましたが、その時の感じはただ押し込めばいいとうい感じでした。旭川駅を出て、歩道を車椅子で歩きましたが、ブロックが剥がれている所が結構あるので視力の弱い人なんかは困るのではないかと思いました。
吉田さんの奥さん
旭川の道路が悪いと思いました。車椅子だけではなく、目の悪い人や、体の弱い人も困るのではと思います。
第4班(バス組)
小谷さん
バス組は、札幌駅のすぐ隣のバスターミナルから乗りましたが、インターホンの位置が高くて、知らない人は分かりずらいのではないでしょうか。バスターミナルでは、インターホンで連絡してくれれば、何時でも対応してくれるということでした。バスに乗る時の対応はとても良かったのですが、私は抱いてもらい、須郷さんは背負ってもらって、水島さんは自力で乗りました。
今のバスは床がかなり高いのと、入り口が狭いのでかなり大変でした。降りる時も同じようにして降ろしてもらいましたが、狭いので抱かれる時に肘をぶつけて怪我をしてしまいました。
ターミナルの券売機は、人が多くて車椅子で買うのはかなり大変で、1人で買うのはまず無理と感じました。案内の人が買ってくれるということでしたが、、、。
旭川駅周辺の歩道の悪さが目につきました。車椅子では振動がきつくて、具合いが悪くなりました。旭川へは今まで何度か来ていますが、何時も車でしたので、バスで来られたことは大変良い経験になりました。どこが良いとか悪いとか、交通機関の対応など、本当に経験してみてみないと分からないと実感しました。帰りも公共交通機関で帰りたいと思います。一泊ですが、旭川の夜を楽しみたいと思いますので宜しくお願いします。
須郷さん
今回の参加者で一番遠い苫小牧から来ました。車椅子で北海道では初めて定期券を買って、苫小牧から札幌へ通勤しましたが、定期券を買う前8ヵ月ほど通っていたのですが、駅長に呼ばれまして、「1週間の予定表を出してほしい、乗る時間を知らせてほしい」と言われました。「仕事ですから、そんなこと分かりません」と断りましたが、乗らないでくれと言われているようなものです。
苫小牧駅にはエレベーターがあるのですが、ホームには行けません。それで階段昇降機をつけてもらいました。しかし、管理上の問題で朝8時から夜9時で止めるというのです。でも最終列車で帰ることもあるのだからと、最終列車までは動かしてもらっていますが。とにかく、障害者がどんどん乗らなければ駄目です。そうしないと皆に分かってもらえません。
タクシーの無料券を貰っても殆ど利用出来ないとか、リフト付バスが一台も走っていないとか、、。私とか曽我さんみたいな人達が沢山出てくれば変わってくるでしょう。
雪の降る北海道でリフト付バスが走れば、全国で可能だということになります。皆さん是非1人で乗ってください。1人で乗れば対応もはっきりと分かります。勇気が必要でしょうが、私でも出来ることですから、出来る方が沢山いると思います。
水島さん
今日は皆さん。旭川社協の方、ふれあいセンターの方、そして道新の取材の方など、どうもご苦労さまでした。今回、JRもバスも私達も、お互い大変なのを分かってこうした点検旅行に出てきて、ある意味では社会から ”ごろつき”とも言われるかもしれませんが、今回の私達の行動に自信を与えてくれる事がありました。それは一緒に乗ったお年寄りのことです。階段を降りる時、その人は途中で一休みし、長い時間を掛けて降りてきました。これを見て私達のやっている事は間違ってはいないのだ、これは障害者
だけの問題ではなく、高齢化社会といわれる今、全ての人達に理解される時が必ずくる問題であり、行動であると確信しました。
水島さんの奥さん
介助で来ましたが、バスの券売機は問題が多かったと思います。通路が狭く、人通りが多く、位置が高いので車椅子では買えません。その上切符を買う前に、一々案内所へ行って、障害者手帳を提示して何人乗りますと断った上で、券売機で買うということです。いかに障害者が特別扱いされているか分かります。地下鉄の券売機など、どこも高い位置に有ることが多く、この改善をもっと訴えていかなければと思います。
戸川
(往路は1人で来ましたので、体験は話せないので)こんな事を言うと、叱られると思いますが、、。私が交通権を考える連絡協議会に参加したのはいわゆる介護とか、介助とかが嫌いだからです。助けを必要としている人を横目で見て通り過ぎる事は、内心いやなものです。しかし私のように嫌い、あるいは出来ないという人もいるでしょう。でも皆手伝い出来ればと思っているのです。かしそれ以上に皆が介護の必要なしに自由に歩き回れる街になれば、もっと良いと思うのです。そのために少しでも出来ることがあ
ればと考えています。
交流会はいよいよ盛り上がり、カラオケも始まりました。歓談は尽きないまま、二次会へと続きました。心のこもった応対で歓迎してくれたスナックの皆さんと、美味しいラーメンを食べさせてくれたお店(いずれも名前を忘れてしまった)どうも有り難うございました。楽しさに時間を忘れ、ホテルに帰り着いたのは午前1時を回っていました。
2日目も快晴の天気に恵まれて、スタートです。
ホテル方の配慮で朝食の席は昨夜の交流会の会場で取ることが出来ました。バイキング形式でしたがゆっくりと食事をすることが出来てありがたかった。
<帰路>
チェックアウトの後、ホテルの前で全員揃って記念撮影。さて、昨夜お誘いを受けていたので、ふれあいセンターに電話をしましたが、昨夜あまりに遅く迄付き合わせたせいでまだどなたも来ていないようでした。
それではということで、全員で歩いて「常磐公園」まで行くことになりました。
交流会での発表にもありましたが、確かに旭川の道路は決して良いとは言えません。今後に期待しましょう。とにかく好天に恵まれて軽く汗ばむくらいで公園まで歩きましたが、買物公園は流石に車が入らないせいか歩くのには大変嬉しい道でした。
帰りは、全員揃ってJRのL特急を利用しました。交流会でも触れられた良い方の車両に恵まれ、快適な1時間20分でした。願わくば列車内までもう少し広くしていただけたら、、、とは贅沢な願いでしょうか。
点検旅行の報告はこれで終わりです。
番外編として、途中の雑談から2、3お届けしましょう。
○雑談その1
仙台の三越デパートでの話。
車椅子マークの付いたトイレに入ってみたら、トイレの一部を少し広くして手すりが付けられているだけの簡単な設備だった。
車椅子の人が「これだよ、これでいいんだ。何も特別にお金を掛けた設備なんかいらないんだ。
○雑談その2
日本では障害者の範囲がすごく狭く捉えられている。外国ではもっと広く捉えて、本人が自覚しなくても周りが認めると障害者として保護される。
○雑談その3
日本の街づくりは、10代から50代位の元気な人達が基準になっている。
○雑談その4
電動車椅子の補助申請をした時、貴方は電動車椅子をきちんと動かせますか?と聞かれた。持っていないのにどうして動かせるの?,,でも、そうでないと補助を受けられないのが日本です。自動車免許だって練習してから受験するのに。
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