災善救助法等による救助の概要
(平成9年4月1日以降)
1 目 的(救助の本質)【法第1条】
(1)災害に際しての応急救助である。
本法による救助は、災害による被災者に対する応急的、一時的な
救助であり、いわゆる災害復旧対策ではない。災害にかかった者
の保護と社会秩序の保全を図ることを目的としている。
(2)本法による救助は、災害規模が個人の基本的生活権と全体的な社
会的秩序とに影轡を与える程度のものであるときに実施される。
2 実施機関等
(1)救助は、国の責任において行われ、都道府県知事は、国の機関と
して救助の実施に当たる。また、地方公共団体、日本赤十字社そ
の他の団体及び国民の協力のもとに行われるものである。【法第
1条】
(2)北海道知事は、救助を迅速に行うため、救助の実施を市町村長に
委任している。 【法第30条及び法施行細則】
3 法適用基準
(1)住家の滅失した世帯数が当該市町村の区域内の人口に応じ、次の
世帯数以上の場合。 【法施行令第1条第1項第1号】
市町村区域内の人口 | 滅失世帯数 | |
5,000人未満
5,000人以上 15,000人未満
15,000 〃 30,000 〃
30,000 〃 50,000 〃
50,000 〃 100,000 〃
100,000 〃 300,000 〃
300,000 〃
| 30世帯
40 〃
50 〃
60 〃
80 〃
100 〃
150 〃 |
注1 滅失世帯数の換算方法
┌全壊、全焼 1
│半壊、半焼 1/2
└床上浸水等 1/3
注2 北海道全体で2,500世帯を越えた
場合は左記の1/2の世帯数 |
(2)隔絶した地域での災害発生等被災者の救護を著しく困難とする特
別の事情があり、かつ多数の世帯の住家が滅失した場合。
〜厚生大臣事前協議事項〜【法施行令第1条第1項第3号】
(3)多数の者が生命又は身体に危害を受け又は受けるおそれが生じた
場合。〜厚生大臣事前協議事項〜【法施行令第1条第1項第3号】
4 救助の種類及び概要
【法第23条、法施行令第9条及び昭和40年5月11日厚生事務次官通知】
救助の種類 | 内 容 等 | 期 間 | 基 本 額 |
避難所の設置
--------------
福祉避難所の
設置 | 現に被害を受け又は受けるおそれのある者を
一時的に収容し保護する。
----------------------------------------
高齢者等で特別な配慮を必要とする者を収容
する。 | 7日以内
| 100人1日当り
30,000円以内
|
応急仮設住宅の
供与
-------------
福祉仮設住宅の
供与 | 住家が全壊(全焼、流出)し、居住する住家が
ない者であって、自らの資力では住家を得るこ
とができない者に対し、簡単な住宅を仮設し供
与する。
----------------------------------------
高齢者であって、日常生活において特別な
配慮を必要とする者に対して設置する。 | 着工〜20日以内
供与〜完成の日から
2年以内
|
規格〜1戸当たり
平均29.7u(9坪)
基本額〜1戸当たり
2,034,000円以内
|
炊出しその他に
よる食品の供与
|
避難所に収容された者等、日常の食事に支障
のある者に対し、炊出し等により、一時的に被
災者の食生活を保護する。 | 7日以内
| 1人1日当たり
1,010円以内
|
飲料水の供与
|
現に飲料水(飲料水及び炊事のための水)を
得ることのできない者に対し、最小限度必要な
量の飲料水を供給する。 | 7日以内
| 当該地域における
通常の実費
|
被服、寝具その
他生活必需品の
給与又は貸与 |
住家被害等により、生活上必要な被服、寝具
その他生活必需品を喪失又は毀損し、直ちに日
常生活を営むことが困難な者に対し、急場をし
のぐ程度の被服、寝具等を給与又は貸与する。 |
10日以内
|
別表金額の範囲内
|
《別 表》
区 分 |
1人世帯 |
2人世帯 |
3人世帯 |
4人世帯 |
5人世帯 |
6人以上1人増す
ごとの加算 |
全壊、全焼
流出 | 夏 |
17,000円 |
21,800円 |
32,100円 |
38,400円 |
48,700円 |
7,100円 |
冬 |
28,000円 |
36,200円 |
50,500円 |
59,200円 |
74,200円 |
10,100円 |
半壊、半焼
床上浸水 | 夏 |
5,600円 |
7,500円 |
11,200円 |
13,600円 |
17,400円 |
2,300円 |
冬 |
8,900円 |
11,800円 |
16,800円 |
19,800円 |
25,000円 |
3,300円 |
※ 夏季は4月1日〜9月30日、冬季は10月1日〜3月31日
医 療
|
医療の途を失った者に対し、救護班等により
応急的処理を行なう。(救護班の派遣によるこ
とを原則)・・・・日赤委託 |
14日以内
|
救護班〜実費
病院等〜社保診療
報酬の額以内 |
助 産
|
災害発生の日以前又は以後7日以内に分娩し
たものであって、災害のため助産の途を失った
者に対し、分娩の介助及び前後の処置を行なう
・・・・日赤委託 |
分娩の日から
7日以内
|
救護班〜実費
助産婦〜慣行料金
の8割以内 |
災害にかかっ
た者の救出 |
現に生命、身体が危険な状態にある者又は生
死不明の状態にある者を捜索、救出する。 |
3日以内
|
当該地域における
通常の実費 |
災害にかかっ
た住宅の応急
修理 |
住宅が半壊(焼)し、水からの資力により応急
修理することができない者に対し、居住のため
必要な最小限度の部分を応急的に修理する。 |
1か月以内
|
1世帯当たり
432,000円以内
|
学用品の給与
|
住家被害等により、修学上欠くことのできな
い学用品をそう失又はき損し、直ちにこれらを
入手することができない小学校児童及び中学校
生徒に対し、必要最小限の学用品を給与する。
|
教科書等〜
1か月以内
文房具等〜
15日以内
|
教科書等〜実費
文房具等〜
小学生1人当たり
4,100円以内
中学生1人当たり
4,300円以内 |
埋 葬 |
災害の際に死亡した者に対し、応急的な埋葬
をじっしする。
|
10日以内
|
一体当たり
大人171,000円以内
小人136,800円以内 |
死体の捜索
|
行方不明の状態にあり、かつ、四囲の事情に
よりすでに死亡していると推定される者を捜索
する。 |
10日以内
|
当該地域における
通常の実費
|
死体の処理
|
災害の際死亡した者について、死体に関する
処理をする。・・・・日赤委託
|
10日以内
|
一体当たり
洗浄、消毒等
2,900円以内
一時保存(場所)
5,000円以内 |
障害物の除去
|
居室、炊事場、玄関等に障害物が運びこまれ
ているため、生活に支障をきたしている者で、
自らの資力をもってこれを除去することができ
ない部分の障害物を除去する。 |
10日以内
|
1世帯当たり
138,000円以内
|
輸送費及び賃金
職員等雇上げ費 |
上記の救助の実施に必要な物資等の輸送及び
人夫の雇い上げを行なう。 |
各々の救助の実施が
認められる期間 |
当該地域における
通常の実費 |
これらの基準により難い特別の事情があるときは、厚生大臣に協議し、特別基準を設定することができる。 |
|